バイナンス創業者ジャオ・チャンポンの釈放日が決定
大手仮想通貨取引所バイナンス(Binance)の創業者ジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)氏は、4カ月の刑期を終え、2024年9月29日に釈放される予定であることが分かった。
BOP(米連邦刑務局)「Find an inmate.」より画像引用
同氏は、米国のマネーロンダリング(資金洗浄)防止法違反罪で有罪判決を受け、同取引所は43億ドル(約6,091億円)の罰金を支払っている。同氏の釈放日は業界で予想されていたものの、今回、BOP(Federal Bureau of Prisons:米連邦刑務局)の公式サイトから確認され、RRM(ロングビーチ再入国管理施設)から29日に釈放される予定だ。CZは、カリフォルニア州にある低警備施設である連邦刑務所ロンポックで4カ月
の刑期を開始。8月22日付でBOP公式サイト上では、カリフォルニア州中部のロングビーチRRMに更新されている。なお、BOPによると、RRMは「連邦刑務所局の地方連絡係として、連邦裁判所、連邦保安官局、州および地方の矯正機関と連携して」おり、釈放日が迫っている受刑者を支援している収容所とのことだ。
BOPによると、同日に日付はすでに予想されていたが、連邦刑務局からの確認は今朝になってからだった。この事件は、DOJ(米国司法省)がバイナンスを調査し、同取引所がマネーロンダリング(資金洗浄)、サイバー犯罪、制裁違反などの違法行為をプラットフォーム上で阻止する取り組みをうまく行っていないことが判明したことから始まっている。2023年11月、同氏とバイナンスはともに複数の容疑を認め、米国当局との和解のため、バイナンスは43億ドル以上の罰金を支払うことに同意。当初、同氏は3年の懲役刑を科せられる予定であったが、違法行為に直接関与していないと主張した弁護士のおかげで、刑期はわずか4カ月に短縮された。
釈放後もジャオ氏とバイナンスの戦いは続く
現在、同氏はカリフォルニア州ロングビーチの住宅再入国管理施設に収監されているが、これは中間施設のようなものだが、同氏が釈放されても、バイナンスへの法的悩みが終わったわけではない。
実際、ワシントン州では同取引所に対して新たな集団訴訟が起こされているものの、この訴訟の原告はバイナンスのユーザーですらない。しかし原告らは、プラットフォームに強力なKYC(顧客確認)とマネーロンダリング(資金洗浄)対策がなかったため、盗まれた資金が同取引所を通じて流出したと主張している。
釈放後の計画は不明ですが、仮想通貨コミュニティは、憶測はあるものの、同氏がバイナンスの舵取りに復帰するかどうかを注視。同氏の後任として新CEO(最高経営責任者)に就任したリチャード・テン(Richard Teng)氏は、創設者であるジャオ氏は、実際には会社を経営することも、正式な役職に就くことも禁止されていると述べている。同CEOは就任以降、規制遵守に注力しており、インド、ドバイ、タイなどの場所で19件の新たなライセンスを取得。新CEOのもと、取引所は創業者主導の企業から脱却し、現在は取締役会と上級幹部チームによって運営されている。
長年にわたり、ジャオ氏とバイナンスは世界各国の規制当局からの圧力の高まりに直面し、2023年にはCFTCやSECなどの米国当局から訴訟を起こされるに至った。これらの訴訟では、バイナンスが取引規則に違反し、投資家を欺いたと主張されているが、SECは法廷召喚のために同氏本人を追跡するのに苦労している。バイナンスがこうした課題を抱えながら事業を続けるる中、リーダーシップと法的立場の両面で同氏の将来は不透明なままである。