Binanceがロシア諜報機関に顧客情報を共有か
大手仮想通貨取引所Binanceはロシアのプーチン大統領政権と癒着し、顧客情報を共有していると疑われていることが明らかになった。
Binanceはロシアでの仮想通貨取引の取り締まりにもかかわらずBinanceロシア担当のグレブ・コスタレフ(Gleb Kostarev)氏を中心にロシアで勢力を拡大しようとしていたとみられる。コスタレフ氏はロシア政府とBinanceをつなぐ存在であり、政府の最高機関の関係者と会い、彼らの要求を取引所に伝えていると大手メディアで報じられている。
Binanceは、KGB(ソ連国家保安委員会)の後継者であるFSB(ロシア連邦保安庁)の下にあることで知られている金融情報機関であるRosfinmonitoring(別名:Rosfin)の指導者と会談を行っており、ユーザーデータを同機関と共有するよう要求されたとのこと。ロシアはここ数カ月の間、仮想通貨業界で最も有望な市場の1つであり、取引量は1カ月おきに過去最高記録を更新するなど著しい成長を見せていることから、同取引所にとっても重要な収入源であったと考えられている。
実際、バイナンスは2019年に、ロシアでFSBの機関であるRosfinと取引を行い、ロシアにサービスを提供する現地法人を開設しており、その際、現地法人がRosfinにユーザーデータに無制限にアクセスできるようにすることが契約の一部となったと伝えられている。
断固として報道を否定するBinance
今回の報道に対してBinanceは、野党指導者アレクセイ・ナワルニー(Alexei Navalny)氏への献金を追跡するため、ロシア情報機関を支援したことを断固として否定しており、次のように反論している。
Binanceがナワルニー氏を含む、いかなるユーザーデータもロシア連邦保安庁の管理する機関やロシアの規制当局と共有したという事実は断固として誤りです。
同取引所はブログの中で、ロイターに対して、独自の編集規約に基づいて正式な苦情を書いていると発表し、ロシアでの活動に関する同取引所との電子メールでの議論の一部始終を明らかにした。一方で、プーチン大統領がウクライナに侵攻したことにより、デジタル配信サービスを提供するSpotify(スポティファイ)のようなハイテク大手から銀行コングロマリットまで、多くの世界的大企業がロシアのユーザーを敬遠するようになったのが事実だ。
しかし、その中でも大手仮想通貨取引所であるCoinbaseやKrakenに関しては、ロシアやベラルーシのユーザーを排除することに反対している。それでも、Binanceは4月21日(木曜日)、10,000ユーロ(約140万円)の価値を超える仮想通貨を持つ、ロシアの個人または団体へのサービスを制限していると伝えられている。