ジェイ・Zの1stアルバムのNFTをめぐって共同創設者を訴える

ジェイ・Z の1stアルバム「ReasonableDoubt」NFTが訴訟に発展

ヒップホップ界の大御所であるジェイ・Z(Jay-Z)が共同設立したRAF(Roc-A-Fella Records:ロッカフェラ・レコード)は、ジェイ・Zの1996年のデビューアルバム「ReasonableDoubt」のNFT(非代替トークン)を売り込んだとして、共同創設者のデイモン・ダッシュを訴えたことが分かった。

Roc-A-Fella Dame Dash Complaintより画像引用



ジェイ・Zとデイモン・ダッシュ(Damon “Dame” Dash)氏、カリーム・バーク(Kareem “Biggs” Burke)氏の3人によって1995年、ニューヨークにて設立されたアメリカのヒップホップ・R&B・レゲエ・レゲトン系レーベルの「ロッカフェラ・レコード」。国連邦裁判所に提起された訴訟では、デイモン・ダッシュ氏がプラットフォームSuperFarmと提携し、ジェイ・Z のファーストアルバム『Reasonable Doubt(日本語訳:合理的な疑い/1996年6月25日発売)』に関連するNFTをオークションにかけ、NFTを介してアートの所有権を販売することを計画していたと主張している。

アルバムによって生み出される将来のすべての収益に対する権利をダッシュからオークションの勝者に譲渡するため、この販売を「これまでで最も重要なNFTオークションの1つ」とSuperFarm社のプレスリリースで述べられており、NFTにとって非常に大きな約束であり、生命の中で次のように語っている。

ジェイ・Zの「Reasonable Doubt」の著作権をNFTとして販売することは、仮想通貨業界と幅広い音楽業界の両方にとって画期的なランドマークです。

 

ダッシュ氏はRAFの録音に対する個人権利を所有していない

しかし、Roc-A-Fellaの弁護士は、これはダッシュ氏の宣伝する製品ではなかったと述べている。

RAFは、各共同創設者が会社の3分の1を所有しているが、ダッシュ氏は「Reasonable Doubt」を含むRAFの録音に対する個人の権利を所有していない。訴訟では、NFTまたはその他の方法で“会社の資産を売却する権利はない”と述べている。SuperFarmはRAFの要請でオークションをキャンセルしたが、レーベル側はダッシュ氏が代わりの会場を見つけようとしていると主張。RAFは、「Reasonable Doubt」に基づいて作成したNFTに加え、金銭的損害賠償をダッシュに渡すことを望んでおり、次のようにコメントしている。

「Reasonable Doubt」1つだけです。それに対する権利はかけがえのないもので、結論は単純です。ダッシュは自分が所有していないものを売ることはできません。

ダッシュ氏は訴訟を不正確だと述べており、アルバム自体ではなくRAFで自分の株を売り込もうとしているとして次のように語っている。

バイヤーとの契約条件の下、バイヤーはRoc-a-Fella Recordsの私の株を購入し、Jay-Zはアルバムの独占的な管理権を持つことになります。「Reasonable Doubt」を競売にかけようとして、さまざまな場所に走り回っていません。私は1つのプラットフォームで作業してきましたが、それがSuperFarmです。

 

会社の株を売らせることを目的とした恐ろしい戦術

ダッシュ氏は訴訟について、ダッシュ氏に会社の株を売らせることを目的とした恐ろしい戦術と呼んでいるとのこと。NFTの人気が急上昇するにつれ、関連する訴訟がすでにいくつか出始めており、この訴訟は、ダッシュ氏のNFTの曖昧な説明にかかっているとみられる。

今回の問題を例にとると、事務所およびレーベルに関連する、いわゆる“中の人”出会った場合、データを取得することで誰でもNFT発行ができてしまうい、一度流通してしまうと流れを止めることは難しくなる。今回の例では流通する前に訴訟という形でストップ出来たものの、同様に内部の総意が得られないまま勝手に販売されるなど、取り返しのつかないケースに発展する事も十分に考えられるだけに、今回の事例はNFTの潜在的な問題が露呈したと言える。消費者側も、偽NFTやアーティスト未許可NFTなどに十分注意を払わなければならない。

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