Mastercardが銀行による仮想通貨取引の提供を支援するプログラムを開始

Mastercardが銀行による仮想通貨取引支援するプログラムを開始

多国籍金融サービス企業であるMastercardは、金融機関が顧客に安全な仮想通貨取引機能とサービス提供できるようにする新しいプログラム「Crypto Source TM」を発表したことが分かった。

同社は、仮想通貨取引プラットフォームPaxosと銀行の間の橋渡し役として、銀行が資産クラスを避ける理由として挙げている2つの主要分野である規制コンプライアンスとセキュリティを監督する予定だ。Mastercardのジョーン・ランバート(Jorn Lambert)最高デジタル責任者は、CNBCに対して、次のように述べている。

仮想通貨に本当に興味があり、興味をそそられる消費者はたくさんいますが、それらのサービスが金融機関によって提供されていれば、もっと安心できるでしょう。まだ怖いと思っている人もいるのです。


世界中のより多くの地域でMastercardのサービスを拡大へ

Mastercardは、金融機関が仮想通貨のコンプライアンスルール、取引の検証、マネーロンダリング(資金洗浄)防止法の遵守、ID監視サービスなどを支援するという、2022年の第1四半期にこの製品を試験的に導入し、その後、世界中のより多くの地域で拡大することを期待している。

しかし、これまでにサインアップした銀行に関する詳細はまだ明らかにされておらず、詳細に注目が集まっている。というのも、仮想通貨業界は現在、13年の歴史の中で最も残酷な弱気市場の1つに陥っていることもあり、市場全体に活気がなくなっているのが現状だ。しかし、ランバート氏は近い将来、Mastercardがより多くの取引を獲得し、コアビジネスを加速できるような、より活発な動きが見られると予想。仮想通貨の冬が資産クラス全体の終わりを示していると考えるのは近視眼的だとの見解を示している。

また、同氏は規制当局の監視を保証する一方で、仮想通貨プラットフォームはより高度なセキュリティを享受するだけでなく、今後数年間で解決すべき多くの問題を目の当たりにすることになるだろうと指摘。Mastercardは2022年、世界的にいくつかの新しい仮想通貨カードプログラムを発表しており、同社は米国で仮想通貨で報酬を支払うクレジットカードのためにGeminiと協力している。さらに、アルゼンチンでは、Binanceとのプリペイドカードを展開し、Mastercardの決済サービスを利用する9,000万件以上の加盟店で、ユーザーが仮想通貨で購入したり請求書を支払えるようになるなど支払面での進歩も注目されている。