ハンガリー政府が無許可の仮想通貨取引を取り締まりへ
ハンガリーの新仮想通貨法は、無許可のプラットフォームで取引した個人に最長5年、違法な取引所運営者に最長8年の懲役刑を科す恐れが浮上している。
ハンガリー政府は、厳格な新仮想通貨規制を導入。この改正法では、「仮想通貨の濫用」と「無許可の仮想通貨交換サービスの提供」という2つの新たな犯罪が規定されていると、大手メディアのフォーブス誌は指摘している。
改正法は、仮想通貨の無許可取引に関与した個人、および適切な認証や認可を受けずに仮想通貨取引サービスを運営する個人に、厳しい法的措置を課す。これには、個人に最長5年、サービス提供者に最長8年の懲役刑が含まれという。ただし、詳細な法令遵守の枠組みについて、現段階では公表されていないため、この法律の実際の施行は不透明であり、ハンガリーの仮想通貨ユーザーと企業に混乱をもたらしている。
EU(欧州連合)の最新の規制よりも厳しい新規制は、ハンガリーの仮想通貨取引業者に懲役刑のリスクをもたらすと同時に、仮想通貨関連企業のハンガリーからの流出を招く恐れがあり、仮想通貨関連企業はハンガリーから撤退せざるを得なくなる可能性がある。この非常に厳しい新規制は、EUがEU全体で統一された規制基準の導入を目指している中で施行された者であり、他の加盟国はこれを仮想通貨関連企業誘致の機会と捉えている。
刑罰は取引額に応じて重くなる
2025年7月1日(火曜日)に施行された今法律は、ハンガリー刑法の改正に基づいて制定されており、改正法では、無許可のプラットフォームで取引をした個人は、5,000万ハンガリー・フォリント(約2,000万円)未満の取引で最長2年の懲役刑に処せられる。
刑罰は取引額に応じて重くなり、5,000万~5億フォリント(約2億円)の取引の場合、最長3年の懲役刑が科せられ、5億フォリントを超える取引には5年の懲役刑が科せられる。また、違法な取引所を運営するサービスプロバイダーは、事業規模に応じて最長8年の懲役刑に処せられる可能性があり、条項には以下のように記載されている。
仮想通貨市場に関する法律に基づく認証義務に違反し、多額の価値を有する仮想通貨交換サービス活動に従事した者は、重罪を犯したことになり、最長3年の懲役刑に処せられる。(2)重罪を犯した者…特に多額の価値を有する場合、1年~5年の懲役刑に処せられる。
(3) 重罪を犯した者…特に多額の価値を有する場合、2年~8年の懲役刑に処せられる
罰則の厳しさから懸念の声も
ハンガリーの新仮想通貨法は罰則の厳しさから、懸念が生じており、現地メディアは、同国で合法的に仮想通貨を購入した約50万人がこの法律の影響を受ける可能性があると警鐘を鳴らしている。
ハンガリーで事業を展開する多くの仮想通貨関連企業は、この法律がどのように施行されるのか不透明であり、刑事罰の可能性を懸念。ハンガリー金融監督庁)は、新法のコンプライアンス枠組みを策定するために60日間の猶予を与えられているが、それが実現するまでは、混乱は続く可能性が高い。
さらに、市場への影響は即座に現れており、大手フィンテックプラットフォームRevolutは、この法律の施行を受け、ハンガリーの顧客向けの仮想通貨サービスを「即時、追って通知があるまで」一時停止すると発表しており、次のように声明の中で述べている。
ハンガリーの規制の最近の変更に従い、残念ながらハンガリーの顧客向けのすべての仮想通貨サービスを停止することを決定しました。
同メディアは7月14日(月曜日)、Revolutがその後仮想通貨の引き出しを再開したと報じたものの、規制の明確化が待たれており、今後、サービスが完全再開されるかどうかは不明だ。