アイルランド、EUのマネーロンダリング規制に先立ち緊急の新仮想通貨法を起草

アイルランドはマネーロンダリング規制に先立ち緊急の新仮想通貨法を起草

アイルランドは、2024年12月30日のEU(欧州連合)AML(マネーロンダリング防止)ガイドラインが発効する前に、仮想通貨規制を強化する準備をしていることが明らかになった。

アイルランドは今後のEUのAML法は、FIU(金融情報機関)の能力を強化することを目的としており、今アプローチは、違法行為防止とイノベーション促進のバランスをとることを目指している。同国のジャック・チェンバース(Jack Chambers)財務大臣は、EUが厳格なマネーロンダリング(資金洗浄)対策基準を課す前に、迅速に仮想通貨規制を更新するための緊急法案を起草すると内閣に伝えたと現地メディアが報じている。これらの変更は、国内法を欧州基準に合わせるために極めて重要とのことだ。なお、今後のEUのAML法は、FIUに権限を与え、これらのユニットは、疑わしい取引を阻止し、現金支払いの上限を1万ユーロ(約162万円)に設定すると予想されている。

より厳格な監視が今求められている

新たな規制では、仮想通貨を販売するプラットフォームに、トレーダーに関するより詳細な情報提供が義務付けられ、一定の基準を超える取引に対する監視も強化される。

この立法枠組みは、仮想通貨とクラウドファンディングに関連する金融リスクに対処する事も前提とされている。今後の法律の詳細は明らかにされていないが、EUのAMLおよびMiCA(暗号資産市場規制)指令のおおよその実施を示している。2023年6月に発効したMiCAは、欧州全域で発展中の仮想通貨市場に対処し、適切な投資家保護を確立し、違法な金銭的不正行為を阻止することを目的としている。

アイルランド中央銀行のダービル・ローランド(Derville Rowland)副総裁は、金融イノベーションの安全性と完全性を維持するという同国の取り組みを強調。同副総裁は、仮想通貨への規制は、ヨーロッパが新しい技術の適応と採用において世界的なリーダーになるために不可欠であると述べており、アイルランド中央銀行は次のように述べている。

金融サービス業界が盛んな小規模で開放的な経済であるアイルランドが、金融システムがマネーロンダリングやテロ資金供与の目的で利用されるのを防ぐことに積極的に参加することが重要だ。

アイルランドはすでに、コインベース(Coinbase)、リップル(Ripple)、ジェミニ(Gemini)などの有名企業を含む15の仮想資産サービスプロバイダーにライセンスを発行済みだ。これらの企業は欧州のプラットフォームから非準拠ステーブルコインを上場廃止することに同意しているとのことだ。

アイルランドは、同国市場でデジタル資産が違法な目的で使用されないようにするとともに、EUの主要金融ハブであり続け、新しいデジタル経済の分野でイノベーションをサポートするよう努めている。

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