SECがブラックロックとフランクリン・テンプルトンの仮想通貨ETF決定を延期
SEC(米国証券取引委員会)は、フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)とブラックロック(BlackRock)の仮想通貨ETF(上場投資信託)提案に関する決定を延期した。
フランクリンのイーサリアム(Ethereum/ETH)ステーキングETFは11月13日、ソラナ(Solana/SOL)とリップル(Ripple/XRP)のETFは11月14日、ブラックロックのイーサリアム・ステーキング修正案は10月30日が期限だ。SECは、リスク、投資家保護、ステーキングの複雑さを評価するため、より多くの時間が必要であると主張している。
SECがこれらの申請をどのように評価しているかは明言していない。証券取引法第19条(b)に基づく権限を行使し、可能な限り最長の延期期間を設定しており、この規則により、SECは最大180日間、場合によっては追加の60日間、審査を遅らせることができる。
遅延は却下ではなく追加精査に値か
フランクリン・テンプルトンは、3月にCBOE(シカゴ・オプション取引所)BZXに対し、イーサリアム、ソラナ、XRPに関する修正案を最初に提出している。
SECへの提出書類の文言は明確で、遅延は却下ではなく、委員会が提案は追加精査に値すると考えていることが考えられる。当局者らは、SECは最終判断を下す前に、市場の安定性、投資家保護、ステーキングの複雑さといった要素のバランスを取る必要があると主張しており、ステーキングについては依然としてデリケートな問題だ。
こうした提案のリストはますます長くなっており、8月末までに、SECは90を超える仮想通貨関連ETFを審査。これには、ビットコインやイーサリアムにリンクされた通貨だけでなく、ソラナ、ヘデラ、XRPといったアルトコインや、実験的なステーキング商品も含まれている。
SECが新たな仮想通貨の枠組みを準備
数々の挫折にもかかわらず進展の兆しも見られており、ポール・アトキンス(Paul Atkins)SEC委員長は、デジタル資産に適用される証券規則を抜本的に見直すプロジェクト・クリプトを発表した。
プロジェクト・クリプトは、仮想通貨業界における取引、貸付、ステーキングのルールを標準化することを目的として立ち上げられたプロジェクトである。同氏はパリで開催されたOECD世界金融市場円卓会議で、仮想通貨の時代が到来したと述べ、SECは投資家を保護する枠組みを構築しつつ、新たなETFの立ち上げを目指す発行者に透明性を提供すると述べている。
SECは、トークンベースのETFの包括的な上場提案に取り組んでおり、承認されれば、一部の仮想通貨ETFは個別の規則変更を経ることなく、運用開始できる可能性がある。