ロシア当局は、テレグラム禁止の解除に同意せず
ロシア当局は、大手メッセージングアプリであるテレグラムの解禁をめぐり意見が分かれていることが報じられた。テレグラムは2018年、ロシアで発生したテロ事件で通信手段として利用され、ロシア政府は通信記録へのアクセス権を渡すようテレグラムに要求していたが、これを拒否したことでサービスが停止されている。
しかし今年4月、ロシア政府が2年間続けてきたテレグラムの禁止令を解除検討しているというニュースが、ロシアメディア「コメルサント」によって報じられていた。これは新型コロナウイルスの影響によるもので、感染拡大の注意を促す手段としてテレグラムを利用しようという目的だという。これに異議を唱える形で、ロシアのデジタル開発・通信・マスメディア省は、この解除検討に反対の立場を示している。
同省はテレグラムの解除検討案に対し、確立されたサービス以外の情報発信ツールは必要ないと主張しており、ロシアの情報拡散プロセスはすでに合理化されていると述べたという。
ロシア政府は公式にテレグラムの使用を禁止しているが、一般ユーザー時はこの禁止令を回避するサービスを利用し、テレグラムを継続して利用しているという。テレグラムの売りは高いセキュリティーと匿名性にあるが、ユーザーにとってこれらの項目は重要視するポイントの一つになっているということだろう。
ロシアはテレグラムと暗号資産について不透明な立場を持つ
テレグラムの禁止をめぐるロシア当局の意見の相違は、現地での暗号規制に関する不確実な関係の中で生じている。
ロシアでは2018年に暗号資産に関する法案が開始されて以来、今まで採択された法律がない。そのため、国内で暗号資産を合法として扱うのか、違法とするのかまだ不透明なスタンスを取っている。テレグラムの創業者であるパブロ・デュロフ氏は、17ヶ国の保険当局と連携し、新型コロナウイルスに関する情報提供すると発表しており、17ヶ国にはロシアも含まれていた。
世界的なパンデミックの流行が、ロシア政府とテレグラムの関係修復へのきっかけとなるのか、注目が集まる。