暗号資産デリバティブの月間取引高が史上最高に
暗号資産のデリバティブ取引量は、2020年5月に月間取引量で史上最高を記録し、今年3月に更新された記録を上回ったことが最近の調査で明らかとなった。
CryptoCompareのレポートによると、5月の暗号資産デリバティブ取引量は6020億ドル(約70兆円)で、4月と比較し30%も急増している。現物取引の市場は1兆2,700億ドルで先月より5%上昇しているが、デリバティブ市場の流動性が暗号資産市場全体の32%まで上昇していることから、その存在感も強まってきている。
レポートによると、ほぼ全ての取引所で取引量の増加傾向が報告されており、調査対象となった主要取引所では全て2桁台の伸び率を達成している。中でもChicago Mercantile Exchaneg(CME)は59%増と驚異的な上昇を見せた。また興味深いことに、デリバティブ取引で高い出来高を誇っていたBitMEXをBinanceは2ヶ月連続で上回っている。BitMEXは5月より日本規制に準拠するため、日本居住者向けのサービスをとり行わない決定をしており、少なからず影響がある可能性も考えられる。
BTCと法定通貨ペアの取引量でみると米ドル、日本円でそれぞれ12%の増加が見られ、ユーロ、韓国ウォンではそれぞれ17%と21%の上昇率が見られた。BTCとステーブルコインペアでは、USDTが7%下落、USDC、PAXはそれぞれ78%と97%の驚異的な下落率を見せている。しかし元々USDCとPAXのBTCペアは流動性が大きくなく、ステーブルコイン全体で見るとBTC取引量の98%を占めている。
日本市場におけるデリバティブ2倍規制は適当
先日開催された「参院議員財政金融委員会」において、音喜多駿議員が暗号資産のレバレッジ取引規制が過剰ではないかと質問していたが、金融庁企画市場局長の回答は「2倍が適当」というものだった。
日本では改正金融商品取引法により、自主規制的に4倍で設定していた暗号資産レバレッジ取引が、「上限2倍」と初めて法律で定められることになった。この法令は来年5月1日から執行されるため、それまでは4倍の暗号資産取引が日本でも行える見込みとなっている。