ドバイ土地局、XRP Ledgerで不動産権利証書をデジタル化

ドバイの不動産トークン化を象徴するイメージ。白い住宅模型とXRPコイン、背景にドバイのスカイラインとブロックチェーンネットワークが描かれている。

RippleとCtrl Altが連携して市場を刷新

DLD(ドバイ土地局)は、XRPL(XRP Ledger)を活用して不動産権利証書をトークン化する取り組みを開始した。

中東で初めて政府機関がパブリックブロックチェーンを不動産記録に導入する事例で、Rippleとトークン化プラットフォームのCtrl Altが協力している。

Rippleは公式ポストで、Ctrl Altおよびドバイ土地局とのパートナーシップを発表し、投稿では「Ripple Custodyは、XRPL上で発行されたトークン化不動産権利証書に対し、スケーラブルで安全な保管を提供し、分割所有、透明性、世界的な市場アクセスを実現する」と説明している。

プロジェクトの仕組みと影響

DLDが発行する権利証書はXRPL上でデジタル化され、取引決済と所有権移転が即時で可能になる。

従来数日かかった手続きは数秒で完了し、すべての履歴がチェーン上で監査できる。さらに、分割所有により投資家は最低2,000ディルハム(約81,000円)から高級不動産に投資できるようになり、参入障壁が大幅に低下する。

Ctrl AltはRippleのカストディ技術を採用し、規制準拠のもとで資産の発行・保管・管理を担う。同社はVARA(ドバイ仮想資産規制局)からVASPライセンスを取得済みで、トークン化関連サービスを正式に提供できる体制を整えている。一方、RippleはDFSA(ドバイ金融サービス局)からの承認を得ており、ステーブルコインRLUSDの利用認可も含め、厳格な規制順守を実現している。

Rippleは完全準拠のオンチェーンライフサイクルを構築し、グローバルなカストディネットワークを通じて機関投資家をサポートする。この仕組みにより、不動産市場は流動性を高め、24時間365日取引できる環境を実現する。開発業者も従来の借入に頼らず資金調達が可能になり、Ctrl Altはこれまでに3億2,500万ドル(約482.8億円)を超える資産トークン化の実績を持つ。

規制対応とドバイの戦略

Rippleは世界で60以上のライセンスを保有し、DFSAの承認やRLUSDステーブルコインの利用認可も取得している。

同社はザンド銀行やマモと提携し、クロスボーダー決済や資産トークン化など多様なソリューションを提供する。今回の取り組みは、ドバイのGDP規模2,770億ドル(約41兆円)の不動産市場に新たな投資機会を創出し、国際的な投資家を引き付ける要因となる。

DLD、Ripple、Ctrl Altの協業は、透明性と効率性を重視した不動産市場の新たな基準を示すものだ。ドバイはこのプロジェクトを通じ、世界にスケーラブルなブロックチェーンモデルを提示し、デジタル資産ハブとしての地位をさらに強化していく。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム