EllipticがSoftBankとWellsFargoから6,000万ドルを調達:仮想通貨採用を加速化

Ellipticによる機関投資家の仮想通貨採用加速計画

ブロックチェーン分析会社Ellipticは、調達した資金を利用し、機関投資家による仮想通貨の採用を加速させることを計画している事が分かった。

ロンドンを拠点とするブロックチェーン分析会社であるEllipticは、日本の投資マネージャーソフトバンクグループ株式会社とアメリカの多国籍企業Wells Fargo(ウェルズファーゴ)が主導するシリーズC(※1)の資金調達で6000万ドルを確保したことを発表。資金は、世界金融市場による仮想通貨採用を加速するために使用されるとのこと。

(※1)シリーズCとは…
黒字経営が安定化しており、IPOやM&Aを意識する段階の企業に投資する資金調達をシリーズCと呼び、投資額は数億円から数十億円に上る投資ラウンドの中でも最も投資額が大きい物を言う。

大規模機関による暗号通貨の採用の加速

Ellipticは、10月11日(月曜日)のプレスリリースで6,000万ドルの資金調達の開示を発表。

同社はこの資金を使って海外での事業を拡大し、グローバルネットワークへの投資を促進する予定で、プレスリリースの中で次のように語っている。

Ellipticでは、仮想通貨取引所から世界の主要銀行まで、金融機関が仮想通貨をより安全に受け入れるのを支援しています。この資金調達ラウンドは、金融業界における仮想通貨の機会と、エコシステムにおける私たちの絶対的に重要な役割を支持するものです。

ソフトバンクは、10億ドル(約1,134億円)規模のスタートアップを支援するビジョンファンド2を通じてラウンドに参加。他の投資家は、Wells Fargo、SBIグループAlbionVCなどが参加している。

2019年から2020年の間に、EllipticはシリーズB(※2)で2,800万ドルを確保。この新しい資金調達により、同社は、特に米国で、専門家のグローバルチームを拡大することを目指しており、次のように述べている。

(※2)シリーズBとは…
経営が軌道に乗り、安定化しており、収益が伸びていく時期にあたる企業に投資する事をシーリーズBと呼び、数億円から数十億までの投資額うで資金調達する方法を指す。

私たちはチームとして、今年すでに50%近く成長しており、この投資を使用してさらに速く成長します。2022年の終わりまでに、私たちは世界で200以上のEllipticに成長するでしょう。


チェーン上のセキュリティの提供

大規模機関投資家が仮想通貨に従事するにつれ、安安全なエコシステムに対する需要も高まる。

クレジット大手のMastercardがマネーロンダリング防止および不正防止ソリューションを提供するためにブロックチェーンインテリジェンス会社CipherTrace買収した理由である。Ellipticの目標の1つであるのが、ブロックチェーン分析およびデータ会社を求める機関投資家にとってナンバーワンの選択肢になることだ。これは、世界中の既存の法律を遵守するためのデジタル資産エコシステムに対する規制圧力の高まりに一部起因している。

Ellipticは、最大の仮想通貨およびブロックチェーン分析会社の1つで、同社は、実世界の信号を偽名のエンティティやイベントにマッピングしたり、従来の金融会社にリスクの洞察を提供したりするなど、不正な仮想通貨活動を検出するためのさまざまな手法とツールを提供している。また、ダークネット参加者が提供する悪意のあるソフトウェアやツールの発見を支援する責任もあり、同社は他の関係者と協力して、ダークネットマーケットプレイスで商人がビットコインをロンダリングできるオンラインツールであるAntinalysis(日本語訳:分液防止)を特定している。