ジェミニがナスダックと共にIPOへ 仮想通貨取引所の実力を市場が試すとき

ジェミニとナスダックの提携を象徴する現代的な金融都市の風景

上場間近、IPOへの直接出資は否定

仮想通貨取引所ジェミニ(Gemini)が、ナスダックとの提携を通じて約22億ドル(約3,240億円)の企業評価を目指している。

提携の一環として、ナスダックが5,000万ドル(約73.6億円)の私募株式を取得する計画が報じられていたが、ナスダックはこの投資がIPO(新規株式公開)とは無関係であることを明言している。ジェミニは今週、ニューヨークでの株式公開を予定しており、市場の注目を集めている。

ジェミニとナスダックの戦略的提携

ジェミニ・スペース・ステーションの名称で上場予定のジェミニは、クラスA普通株式1,667万株を1株あたり17~19ドル(約2,500円~2,800円)で売却し、最大3億1,700万ドル(約467億円)の調達を目指し、取引はティッカー「GEMI」で、ナスダックへの上場が予定されている。

ナスダックは今回の提携について「オープンエコシステム戦略の一環」とし、ジェミニと非独占的な協業を行うと発表した。これにより、ナスダックの顧客はジェミニのカストディやステーキングサービスにアクセスできるようになる。さらに、ナスダックのCalypsoプラットフォームを通じて、ジェミニの機関投資家は担保の管理と追跡が可能になる計画も進行中だ。

IPO市場では仮想通貨関連企業への関心が再燃しており、今回の上場もその流れの中に位置づけられている。

財務状況と仮想通貨業界での立ち位置

ジェミニの財動報告によると、2025年上半期(※6月30日まで)の売上は6,860万ドル(約101億円)、純損失は2億2,850万ドル(約336.5億円)だった。前年同期は売上7,430万ドル(約109.5億円)、純損失は4,140万ドル(約61億円)であり、収益の減少と損失の拡大が見られる。

それでも同社は、透明性と規制頂上を重視する姿勢で差別化を図ってきた。現在、210億ドル(約3兆円)の資産を管理し、これまでの累計取引高は2,850億ドル(約42兆円)に達する。OTC(店頭)取引やクレジットカード対応のサービス、ビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアム(えてぇれうm・ETH)、ステーブルコインなど広範な通貨ペアへの対応も高く評価されている。

仮想通貨業界では、すでに上場しているコインベースやBullishに繰る存在として注目されており、同分野での上場企業は今後さらに拡大する可能性がある。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム