仮想通貨におけるハッキング等の問題の内、約85%が未解決と判明

最新の研究によれば、ハッキングなどの犯罪行為によって盗まれた仮想通貨が被害者の手元に戻る確率が非常に低いという事が明らかになった。その最新の研究によれば、盗難にあった仮想通貨が被害者の手元に戻る確率は約20%とされており、仮想通貨の盗難被害にあった時点で被害額の約80%は帰ってこず、被害者たちは泣き寝入りになる計算になるという。

まず第一に、仮想通貨を利用する事による最大のセールスポイント、メリットといえば、当該する取引をブロックチェーン上に記録する事により、その取引を透明化し、追跡を可能にする事だとされている。これは資金取引において素晴らしい機能だとされてきたが、実際はこの機能のメリットを100%活用しきれていない場合が多いようだと考えられている。

報道によれば、世界各国の仮想通貨取引を規制する機関が実際に捜査を行うことが出来る対象となるのは大規模なハッキングによる仮想通貨盗難事件などのみとなっており、小規模な事件を含むすべてのハッキング事件の捜査を行うことは事実上不可能であるという。このような現状により、実際にハッキングによる盗難被害にあった投資家も諦める場合が多く、いままでハッキング等による犯罪のうち約85%が報告されずに未解決のままであるという。

これらを考慮したうえで「、アメリカのサイバーセキュリティー会社である、サイファートレース社(Cipher Trace)のCEOを務めるデビット・ジーバンス氏(David Jevans)は以下のように述べている。

「現状、事件に対し興味を十分に持っていて尚且つ事件解決に割く十分な時間があり、事件を解決するのに十分な証拠を持っている法的機関をいくつかの国で得る必要がある。その後関係機関が認証し情報収集を行いすべての書類作業を終える頃にはハッカーによりお金はすでに他所に移されているだろう。これでは話にならない。」

またデビット氏の発言に加え、国境を跨いで捜査を行う場合通常の捜査にかかる費用に加えさらに追加で数億円規模の捜査費用が必要になることも捜査を難航させる一つの大きな要因として挙げられる。

これまでの統計によれば、2012年から今年の上半期までにハッキング等の犯罪行為により盗難にあった仮想通貨の被害総額は、当時のレートで約1900億円分であった。さらにその後から現在までの数ヶ月だけで被害総額は900億円に達するという。

これらの事からもわかるように、ハッキング等による犯罪行為が年々増加の一途をたどっている事は紛れもない事実だと言える。またハッキングの手口も年々複雑になってきており、今後ますますセキュリティ対策が必要となっていき、今後の仮想通貨やブロックチェーン技術においてセキュリティ対策という項目は、非常に重要な役目を果たしていくこととなるだろう。