OCCが国立銀行の「リスクのない元本」取引を正式に容認

米国OCCが銀行のリスクのない元本取引を承認したことを象徴するイラスト。暗い背景に柱と仮想通貨の記号が描かれている。

銀行による仮想通貨仲介の役割が本格的に解禁へ

OCC(通貨監督庁)は、国立銀行が「リスクのない元本」仮想通貨取引を実行できることを正式に認めた。

銀行は自ら資産を在庫として保有することなく、顧客同士の仮想通貨取引を仲介する形で関与できるようになり、従来の証券業務で認められてきたスキームがデジタル資産にも拡張されることになる。

銀行が担うリスクのない元本取引の位置づけ

OCCの解釈指針書1188号は、国立銀行が「リスクのない元本取引」として仮想通貨取引を仲介できると明確に示した。

この取引では、銀行が一方の顧客から仮想通貨を買い取り、同時に別の顧客へ売却する。決済不履行などの例外的なケースを除き、銀行は資産を在庫として抱えず、価格変動リスクを最小限に抑えたまま取引を成立させる。

この枠組みの下で、銀行はブローカーに近い立場で機能し、顧客間の売買を取りまとめる。OCCは、この仕組みが証券市場で既に認められているリスクのない元本取引と構造的に一致している点を重視し、その論理を仮想通貨にも適用できると判断した。分析にあたっては、既存の銀行業務との類似性、顧客にとっての利便性、発生しうるリスクの性質、州認可銀行での扱いといった要素が検討された。

OCCは2021年から2024年にかけて、FRBとともに流動性やボラティリティなど仮想通貨特有のリスクについて警戒を示してきたが、今回の書簡はそうした慎重姿勢を踏まえたうえでの整理でもある。銀行は安全かつ健全な運営を維持しながら、規制の枠内で仮想通貨取引の仲介に参加する道筋を得た形だ。

伝統的金融機関と暗号ネイティブ勢の両方に広がる影響

今回のガイダンスは、大手銀行が仮想通貨サービスを拡大するうえでの後押しとなる。

すでにバンク・オブ・アメリカは、資産管理顧客がポートフォリオの一部をデジタル資産に割り当てることを認め、メリルやプライベートバンクを含む多数のアドバイザーが仮想通貨を提案できる体制を整えつつある。PNC銀行も、Coinbaseのインフラを用いたプラットフォームを通じて、対象となるプライベートバンク顧客にビットコインの直接取引サービスを提供し始めた。

現時点でOCC認可を受けている暗号ネイティブ銀行はAnchorage Digitalを含めごく少数に限られるが、伝統的な銀行とデジタル資産企業の境界は徐々に薄れつつある。今回の書簡は、こうしたハイブリッド型の銀行モデルが今後増えていく可能性も示している。OCCのジョナサン・グールド(Jonathan Gould)長官は、保管や保全サービスは長年電子的に行われてきたと指摘し、デジタル資産だけを特別扱いする理由はないとの認識を示した。銀行システムは、電信からブロックチェーンへと技術基盤を更新しながら現代経済を支えるべきだという立場だ。

OCCは、仮想通貨関連企業が銀行免許を取得し、連邦レベルの監督下でサービスを提供することにも前向きな姿勢を示す。グールド長官は、イノベーションを理由なく後退させることは、銀行の顧客や地域経済にとって不利益になりうるとし、これまでの監督経験を踏まえれば、新技術に対応する余地は十分にあると強調した。

今回のガイダンスにより、仮想通貨取引を希望する顧客は、規制が緩い取引所だけでなく、監督当局の目が届く銀行経由という選択肢を持つことになる。OCCは監督プロセスの中で、リスクのない元本仮想通貨取引が法令順守と健全性の原則に沿って行われているかを引き続き確認していく方針だ。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム