ベネズエラのシモンボリバル国際空港でビットコインの受け入れを計画

ベネズエラ空港で仮想通貨受け入れへ

ベネズエラの国際空港は、デジタル資産(仮想通貨)の人気が高まるなか、発券のためのビットコイン(Bitcoin/BTC)やその他の仮想通貨支払いオプションを受け入れる準備を開始していることが明らかになった。

現地メディアの報道によると、ベネズエラの主要空港の一つであるシモンボリバル国際空港 (Simón Bolivar International Airport)は、ビットコインとダッシュ(Dash/DASH)、ベネズエラの石油を担保としたデジタル通貨ペトロ(PetroDollar/XPD)での支払いを受け入れる予定であり、同空港のディレクターであるフレディ・ボルジェス()氏は次のように述べた。

Sunacripと連携して、空港プラットフォームおよび商業活動での仮想通貨での支払いを可能にする予定です。ロシアからの観光客のためにも、これらの新しい経済的および技術的システムを前進させる必要があります。


ハイパーインフレに悩むベネズエラ

ベネズエラには最大の石油とダイヤモンドの埋蔵量があるにもかかわらず、汚職などを原因に世界で最大のハイパーインフレーションが発生している。

その結果、ベネズエラの自国通貨であるボリバルの価値は絶えず下落しており、紙幣が路上に投げ出されてアーティファクトにされる事態に陥っているのが現状だ。この問題を解決するため、NEXTMONEYの2018年10月5日付の特集記事「ベネズエラの国営仮想通貨ペトロが11月5日に公開販売開始」で報じたように、ベネズエラ政府は石油埋蔵量に裏付けられたデジタル版のペトロであるCBDC(中央銀行の発行するデジタル通貨)を発行する計画を立てていた。CBDCは、SMSベースの取引所をサポートするように設計されており、これにより、ベネズエラ国民の取引と支払いのプロセスが迅速になるという。

また、米国の制裁措置が発表されて以来、ベネズエラで仮想通貨のマイニング需要および採用率が拡大しており、べネズエラ人にとって信頼できる送金手段になっている。同国では現在、有名なフードチェーンであるピザハットやバーガーキングなどでビットコイン、イーサリアム、ダッシュ、ライトコイン、バイナンスコインなどの仮想通貨支払いを受け入れており、着実にその採用は進んでいる。というのも、ハイパーインフレーションや貧困など、国の財政的危機は、地元住民の間でビットコインやその他のデジタル資産への関心を高め流要因となっているからである。

実際に、イランがビットコインを使用することで国際的な制裁を回避したり、エルサルバドルがビットコインを法定通貨に採用するなど、財政的に苦戦している多くの国が復活のために仮想通貨に目を向けている。その一方で、仮想通貨の採用は危機的な経済状況を脱するための最良の手段だと考えられているが、国が利用する仮想通貨を決めることに関しては、自由意志に反するのではないかとの意見もあるようだ