ブラジル中央銀行がDrex CBDC第2段階パイロットテストの新ユースケースを発表
ブラジル中央銀行（Banco Central do Brasil）は、デジタル通貨プロジェクト「Digital Real（デジタルレアル）」の第2段階に参加する銀行として、Visa、Microsoft、Santanderを選択し、現在進行中のDrex CBDCパイロットテストの第2段階の一部となる新しいユースケースを公開した事がわかった。
このプロジェクトの目標は、プライバシーに特に注意しながら、デジタル通貨を国債の決済にどのように使用できるか、また、さまざまな用途に合わせてどのようにプログラムできるかをテストすることにある。Drexパイロットは、同中央銀行がDrexと呼ばれるCBDCをテストするための取り組みであり、ブラジルの国債であるレアルのデジタルバージョンを開発することを目的としているものだ。
パイロットでは、安全で効率的な金融取引、特に国債の決済や銀行と金融機関間のその他の卸売取引でのデジタルレアルの使用を検討。調査中の主な機能には、プライバシー、即時決済、および通貨を特定の目的に合わせて調整できるプログラム可能性が含まれている。日常的に使用される小売デジタル通貨とは異なり、Drex Pilotは銀行間取引に焦点を当てており、金融機関が大規模な支払いを管理する方法を強化していく方針で、同中央銀行は次のように述べている。
第2テストフェーズでは、Pilot用に作成されたインフラストラクチャーで金融サービスの実装のテストを開始します。
Drexパイロットのユースケースを公開
Drex CBDCパイロットの第2段階の一部となる新しいユースケースを公開し、46件から選ばれた13件の事例には、不動産のトークン化プラットフォーム、公債取引用の流動性プール、さらには自動車取引の自動化などが含まれている。
同中央銀行は、プラットフォームをテストすることに関心のある16のコンソーシアムが提示した46件のユースケースから13件のユースケースを選択。プ担保付きクレジットの割り当て、国債取引用の流動性プールの確立、国際貿易業務の資金調達、自動車取引の自動化、不動産プラットフォームなど、さまざまな機能が含まれている。また、新しいフェーズに参加している企業には、Mercado Bitcoin、ブラジルの証券取引所B3、サンタンデール、ブラジル銀行協会などが含まれており、Banco Interの新興技術マネージャーである（ブルーノ・グロッシBruno Grossi）氏は、ユースケースのそれぞれが解放され、他の参加者がDrexのブロックチェーンで実現可能性とパフォーマンスをテストできると述べたうえで、次のように語っている。
それぞれのユースケースは誰もがテストし、コラボレーションは常に歓迎されます。
提示された民間ソリューションの非効率性が、Drexのパイロットフェーズの完了を2025年まで延期。5月に同中央銀行は、試験されたソリューションには「市民のプライバシー保護に関連するすべての要件と法的問題への準拠を保証するために必要な成熟度が欠けている」と述べている。
