チェコ中央銀行が初の仮想通貨投資
CNB(チェコ国立銀行)の画期的な動きとして、コインベース・グローバル(Coinbase Global)の株式51,000株以上を取得し、仮想通貨投資分野に正式に参入した。
SEC(米国証券取引委員会)に提出されたフォーム13Fによると、CNBは2025年7月14日(月曜日)、Coinbaseの株式51,732株を取得した。取得時点での株式時価総額は約1,813万ドル(約26.8億円)で、その後株価は上昇し、1株あたり387.06ドル(約57,000円)で取引を終えた。
これによりCNBの保有株式価値は2,000万ドルを超えている。また、中央銀行による仮想通貨関連企業への投資は今回が初めてとなり、その価値は2,000万ドル(約29.5億円)を超えている。Google Financeによると、同社株価の上昇は、仮想通貨市場の力強い上昇と、直近数カ月の間にDeribit(デリビット)などの大手企業買収を背景に、同社株価は年初来で約56%上昇。同中央銀行による今回の投資は、ポートフォリオの多様化の一環として仮想通貨を積極的に活用するという、同銀行の幅広い戦略に沿ったものとなっている。
懸念の声をあげる理事会メンバーも
2025年初め、CNBのアレシュ・ミヒル(Aleš Michl)総裁は、銀行の準備金の最大5%をビットコイン(Bitcoin/BTC)に振り向けることを提案。これにより、約70億ユーロ(約1.2兆円)が世界最大のデジタル資産に流入する可能性がある。
同総裁は、ビットコインを、銀行の1,400億ユーロ(約24兆円)の準備金を分散させる潜在的なヘッジ手段と位置付けているものの、他の理事会メンバーの懸念により、この提案は現在も審議中となっている。理事会メンバーの一人であるヤン・クビチェク(Jan Kubicek)氏は、ビットコインの極端なボラティリティ(価格変動差)に警鐘を鳴らし、中央銀行の準備資産としての魅力を損なうと主張している。
一方のコインベースは事業拡大戦略を継続しており、最近ではDeFi(分散型金融)で、仮想通貨オプション取引を提供しているDEX(分散型取引所)のOpyn(オープン)との人材獲得契約を発表。同社は、Opynのアンドリュー・レオーネ(Andrew Leone)CEO(最高経営責任者)とリサーチ責任者のジョー・クラーク(Joe Clark)氏がコインベースに加わり、従来の市場機能をパブリックブロックチェーンに統合する取り組みを強化すると発表している。