中国人民銀行、仮想通貨の「取り締り強化」を発表
中国の中央銀行である中国人民銀行(PBOC)の上海支部が22日、中国国内で運営されている違法な仮想通貨取引所や、ICOをはじめとした仮想通貨による資金調達の取り締りを強化すると発表した。発表が影響したせいか、ビットコインは一時7000ドル近辺まで下落している。
声明文によると、ICOやIEOなど仮想通貨の投機方法が進化するに従って価格が急騰する一方、仮想通貨取引所や投資家、関連する金融機関が、無許可の違法な資金調達、トークンの違法販売、証券法上で違法な資金調達、金融詐欺などを展開。違法犯罪が横行しており、「経済的、金融的秩序が混乱している」と強調している。
今回、取り締り強化を図る狙いとして、中国主席の習近平氏による国家レベルでのブロックチェーン推進により、「仮想通貨の投機は上昇の兆しを見せている」と主張。投機の防止とコントロールを目的に、PBOC上海支部と上海市の金融関連部門は、上海での仮想通貨に関するアクティビティを取り締まる新たな特別プロジェクトをスタート。バイナンスのような海外で登録されている仮想通貨取引所が中国国内へ仮想通貨取引を宣伝、提供する問題の解決を目指すという。
そのほか、PBOC上海支部と上海金融安定合同オフィスは、上海区域の仮想通貨ビジネスを継続的に監視。金銭詐取につながるような怪しい動きは発見後直ちに処分を行い、早期発見で今後のリスク拡大を防ぐとしている。なお、犯罪を犯した疑いがある人は、公安に送るという。
上海だけではなく、中国のシリコンバレーである深圳市が今月、仮想通貨の違法活動取の規制に向けた取り締り活動を開始している。
仮想通貨取引に関する規制強化は今回が初めてではなく、2017年9月に、PBOCはICOとビットコインなどの仮想通貨と人民元の取引を禁止し、違法な仮想通貨取引所を整理。中国の金融市場における仮想通貨価格の高騰の影響を回避した。18年初めには、中国政府が国内および国際取引プラットフォームの禁止、中国国内の複数のビットコインOTC(店頭取引)口座の凍結を実施したほか、PBOCは同年3月、仮想通貨詐欺に照準に合わせた取り締りを行なっている。