ビットワイズの「ビットコインETF」が再検討か|SECが拒否判断を再考へ
米証券取引員会(SEC)が、先月非承認として報告された、ビットワイズのビットコインの上場投資信託(ETF)の拒否判断を再検討することが判明した。11月18日に発表したレポートによると、ビットワイズと、インターコンチネル取引所所有の電子取引書「NYSE Arca」からのETF申請について今後、再審査して陳述すると述べている。陳述の提出期限は12月18日まで。
ビットワイズは2019年1月28日、ビットコインETFの承認をSECに申請。ビットワイズの担当者は「ビットコインETF承認はこれまでになく近い」と自信を見せていたが、SECは、仮想通貨市場での詐欺や価格操作に関する懸念が払拭できなかったとして、10月上旬に拒否判断を下していた。
また、最有力とされていたVanEck社が9月にビットコインETFの申請を取り下げており、ビットワイズの申請が拒否されていたことで、米SECが審査し、単一指数で連動するビットコインETF申請に関する動向は全て終了したとされていた。
しかし、今回、SECの委員が10月15日付でビットコインETFについて再検討することを表明。再審査に至った理由は現時点で明らかになっていないが、5人で構成するSECのコミッショナーの1人が、再審査を要求したとみられる。
ビットコインETFが仮想通貨市場に与える影響を大きい
ビットコインETFは、ビットコインを投資商品に含んだ上場投資信託。証券取引所に上場している投資信託を指し、株の売買と同様に証券会社を通じて取引が可能。機関投資家を中心に多額のマネーが流入することが予想されるため、仮想通貨市場の起爆剤になるとして、関係各位から期待を集めており、今回も再注目されている。
とはいえ、承認へのハードルが高い状態は変わりない。再審査にあたり、ビットワイズ側は、SECに対して拒否判断を再検討するよう要請していない上、拒否判断を下した際に「本物のビットコイン市場が詐欺的で価格操作がはびこる市場からどのように隔離されているのかがわからない」と手厳しい意見が出ているなど、申請受理に向けたハードルが高いことには違いない。
SECによる審査期間は通常、最大270日だが、再審査は具体的な期限が設けられていない。申請が拒否されている状況は続いており、長期間、議論されることは想像に難くないだろう。