機関投資家の流入で6,000億ドルのBTC需要増へ
世界最大投資銀行と呼ばれるJPMorgan Chase(JPモルガン)社は、500万人以上の顧客を抱える米国の相互生命保険会社MassMutual(Massachusetts Mutual Life Insurance Co.:マスミューチュアル生命保険)が、ニューヨークを拠点とするファンド管理会社NYDIGを通じてビットコインを購入約1億ドルを投資したことを受け、同社の制度的需要の可能性を示していると述べた。
JPMorganはこれらの予測が本当に実現された場合、ビットコインの将来的な需要は、約62兆円に上ると予測している。
1/ This is massive news for Bitcoin. An insurance company buying Bitcoin from its general account is one of the biggest stamps of approval possible. https://t.co/4A93QKaaT5
— Alexander Leishman 🇺🇸 (@Leishman) December 10, 2020
MassMutual社がビットコインへの投資を明らかにしたことで、SNSを中心に話題となっている。River FinancialCEO兼CTO(最高経営責任者兼最高技術責任者)であるアレクサンダー・リーシュマン(Alexander Leishman)氏もこの話題をツイートした一人で、11日付のツイッターで次のように述べている。
ビットコインにとって大きなニュースです。保険会社の一般口座の資金は、保険契約者の請求を支払うために使用されるため、通常は非常に保守的に投資されます。ビットコインに投資することにより、MassMutualは、ビットコインが世界最大の最も保守的な機関が割り当てを行うのに十分安全で、かつ流動的であると見なされていることを効果的に示しています。
また、WSJ(The Wall Street Journal:ウォール・ストリート・ジャーナル)は12月10日付けで、同保険会社にとっては小さな投資であるものの、9月30日時点で一般投資口座は約2,350億ドルに上り、この秋に急増したビットコインのさらなる勢いを示していると報じている。
JPMorganは、ファミリーオフィス、保険会社、年金基金が仮想通貨にわずかな割合を割り当てることを決定した場合、それは大量の需要をもたらすだろうと述べ、Nikolaos Panigirtzoglou氏を含む投資戦略専門家(ストラテジスト)によって起草されたリサーチノートは、保険会社と年金基金が暗号市場に参入するための規制上のハードルに直面していると述べた。
MassMutualのビットコイン購入は、機関投資家によるビットコイン採用のもう1つのマイルストーンを表しており、他の保険会社や年金基金がマスミューチュアルの例に従っているため、今後数年間発生する可能性のある潜在的な需要を見ることができる
Panigirtzoglou氏は、ビットコインの短期的な見通しが歪んでいるにもかかわらず、長期的な見通しは前向きに見えると述べており、ビットコインが金ETFからの大量の流出を利用することが期待されていると述べている。
かつてJPMorganのジェイミー・ダイモンCEOはビットコインについて詐欺と呼び、同社は仮想通貨から最も遠い企業とみられていた時期もある。また、この時期、ビットコイン取引に関与するJPモルガンのトレーダーを解雇するよう警告した事でも大きな話題となっているだけに、現在の同社の仮想通貨を肯定するような言動は、完全に方針転換した様にみえる。
ストラテジストは、アメリカ、ヨーロッパ、日本、イギリスの年金基金や保険会社からの資金の1%がビットコインに流入したとしても、6,000億ドル相当の投資を占めると述べている。