英金融当局FCA、仮想通貨企業の運営期限を来年7月まで延期
英国の金融監督機構であるFCA(Financial Conduct Authority)は、既存の仮想通貨事業者を対象とした「一時的な登録制度」を発表した。TheBlockが報じた。
今回発表された一時的な登録制度は、登録を申請した仮想通貨関連企業が2021年1月10日まで事業者が営業を継続することが可能であったが、その期限が2021年7月9日まで延期されることになる。FCAは今回の一時登録制度について、次のように述べている。
一時登録制度は、2020年12月16日より前に登録を申請した既存の仮想通貨ビジネスを対象としており、その申請はまだ審査中である。これは、既存の事業者が2021年1月9日以降も2021年7月9日まで取引を継続できるようにするためのものであり、FCAによる申請の決定を待っている。
規制当局は、今回の期限延期の理由について、登録を申請した全ての仮想通貨関連企業を評価し、申請を登録できなかったためと説明している。
また2020年12月15日までに登録を申請していない仮想通貨関連企業については、1月10日までに営業を停止し、顧客に資金を変化しなければならい。このルールを守らない事業者に対しては、FCAの刑事及び民事執行権の対象となるリスクがあると当局は述べている。FCAは、規制当局に申請したにも関わらず申請していない仮想通貨関連企業の顧客に対しては、2021年1月10日までの資金をその事業から引き出すよう助言しているようだ。
規制強化を進める英国金融当局
FCAは今年1月、仮想通貨のアンチマネーロンダリング(AML)とテロ資金対策(CFT)の監督期間になっている。この変更によって英国の全ての新規及び既存の仮想通貨関連企業は、その規制ルールに申請・登録するもしくは事業を停止する必要がある。
現時点で、登録を受けた事業者はわずか3社のみで、90を超える他の事業者は申請を待っている状況だ。既に申請の登録を受けた3つの事業者は、仮想通貨決済アプリ「Ziglu」、仮想通貨取引所を運営する「Gemini」と「Archax」となっている。
英国での仮想通貨に対する規制は、着実に整備が進んでおり、2019年7月から、ボラティリティの高い仮想通貨デリバティブの販売禁止を提案していたFCAは今年10月、英国の金融監督機構であるFCA(Financial Conduct Authority)は、英国内で活動または、英国を拠点に活動する企業が、個人投資家への仮想通貨デリバティブ販売を禁止することを発表している。この規制ルールは、2021年1月6日から施行される予定で、今回の仮想通貨事業者の登録延期と同様に2021年から本格的に規制が強化されることになる。