米NY金融当局、仮想通貨フレームワークを変更へ|アルトシーズンの到来

米NY金融当局、仮想通貨フレームワークを変更へ|アルトシーズンの到来

ニューヨーク金融サービス局(NYDFS)が、仮想通貨取引を提供する事業者向けのライセンス「ビットライセンス」の内容を変更する可能性が出てきた。リンダ・レースウェル監督責任者が水曜日に発表した。

主な変更点としては、アルトコインの上場に関する点が挙げられる。たとえば、現在の承認プロセスの場合、NYDFSは個々の取引所に対して個別に承認作業を行っていた。一方で、変更後はNYDFSの承認を必要とせずに、ライセンス所有事業者は上場させることができる。この変更に関して、パブリックコメントも募集する。レースウェル監督責任者は以下のようにコメントした。

「時間の経過と共に業界は変化、高度化し、成熟を遂げていく。新たなビジネスモデルを考慮すると、仮想通貨規制を再検討するのは非常に重要です。(中略)規制は必要なものですが、成長を妨げない規制が必要であり、過度な規制は必要ありません。そのために、どのような変更ができるでしょうか。」

NYDFSでは、2020年の1月27日まで今回のフレームワークに対するパブリックコメントを募集している。プレスリリースによれば、これは今回の変更の最初のステップの1つとなっている。

既存のライセンス保有者は再申請の必要なし

また、ライセンスをすでに保有している事業者に関しては、変更に伴って再申請の必要がないこともわかっている。このフレームワークには、新たに上場するコインに対して取引所がどのように監視やガバナンスを行うかを規定するようだ。そのほとんどは、NYDFSが上場を承認する際の懸念事項となっている。つまり、NYDFSの承認なしで上場プロセスは完了できるが、それ以上に取引所が主体的にコインのリスク管理を行うことが求められる。ただし、NYDFSの調査対象にはなるという。

「あなたはライセンスをすでに保有している。審査に合格し、適切にコントロールができるという考えを私たちは持っています。あなたは私たちの調査の対象になります。(中略)初期の頃から多くのコインを上場させたことで、取引所は赤字にならずに済んできました。私たちが認可した責任のある事業者が、適切なガイダンスによってその健全性を自己証明できるでしょうか。」

「ビットライセンス」に関しては審査や規制の厳しさから、兼ねてから物議を醸していた。実際に老舗取引所のKrakenやShapeShiftなどがニューヨークから撤退している。今年4月には、米取引所BittrexがNYDFSにライセンスを申請したが、アルトコインの扱いに関する問題点などから承認を拒否されている。