ツイッターCEO、「アプリ分散型に向けて新チーム結成」を発表
2019年12月12日、ツイッター社とSquare社CEOJack Dorsey(ジャックドーシー)氏は自身のツイッター上で、分散型の新しいツイッター開発のために新しいチームをサポートすることを発表した。発表によれば、ツイッター社は今後スタンダードになるような、オープンソース・分散型のソーシャルメディアの開発を進めている。Blueskyと呼ばれるわずか5名のオープンソースアーキテクト・エンジニア・デザイナーで構成された小規模なチームによって開発されるという。
チームはツイッターCTOのParag Agrawal氏が率いている。新しい人材も募集しているとのこと。ツイッター社はこの開発チームに資金を提供。
ドーシー氏の思い
ドーシー氏は「Twitterが最終的にこのスタンダードのクライアント(端末)になることが目標」と語っている。つまり、現在のツイッター同様に、多くの人に利用される新しい分散型ソーシャルメディアを作り上げようとしているのだ。ちなみにツイッターはSNSではない。
初期のツイッターは非常にオープンであったため、SMTP(電子メールプロトコル)といった分散型インターネット標準になる可能性があったものの、ツイッターは中央集権化してしまった。しかしその後、ツイッターの分散型を実行可能にする新しい技術、ブロックチェーンが登場。分散型には多くの作業を行う必要があるが、ブロックチェーンはオープンで永続的なホスティングサーバやガバナンスが存在する。
さらに中央集権化したソーシャルメディアでは、友人間のトラブルだけでなく見知らぬ人とのトラブルも問題になっている。しかし分散型ソーシャルメディアならば悪意のある情報を避け、より良い情報だけを表示できるようになるという。ドーシー氏が理想を実現するには数年かかるとされるが、氏はそれでもこの開発に資金を提供し続けるとコメントした。
分散型ソーシャルメディアを推進するか
分散型ソーシャルメディアには短文投稿型のマストドンがすでにある。ブロックチェーンを使用した分散型ソーシャルメディアではSteemitや日本発信のALISが知られている。Steemitは筆者も少しだけ試してみたが、読まれる対象が限られてくるため、モチベーションが維持できず長続きしなかった。今後ツイッターのようにいつでもどこでもスマホからでも気軽に投稿できるような分散型ソーシャルメディアが登場すれば、ブロックチェーンは一段と多くの人に認知されるだろう。