ストライプ、ステーブルコイン決済会社ブリッジを10億ドルで買収を検討

ストライプ(Stripe)がBridge(ブリッジ)社の買収を検討

非公開決済大手のストライプ(Stripe)が、コインベースOBのショーン・ユー(Sean Yu)が設立したステーブルコイン決済プラットフォームであるBridge(ブリッジ)の買収に向けた協議を進めていると、ブルームバーグが報じたことが明らかになった。

情報筋によると、話し合いは進行中だが、まだ合意には至っておらず、両者が交渉から離脱する可能性もある。米・テキサス州サンアントニオを拠点とするBridgeは、テザー(Tether/USDT)やUSDコイン(USDCoin/USDC)のようなステーブルコインを企業が管理できるようにすることを専門としており、従来のシステムに挑戦する決済ネットワークの構築を目指している。

Bridgeの顧客やパートナーのリストには、SpaceX(スペースX)、Stellar(ステラ)、ストライプといった有名企業が名を連ねており、同社は最近、Sequoia(セコイア)、Ribbit(リビット)、Index(インデックス)などの著名投資家から5,800万ドル(約86.7億円)の資金を調達。この買収が実現すれば、ストライプのステーブルコイン決済分野への再参入が強化されることになるため、大きな注目が集まっている。

成長を続けるステーブルコイン市場

同社は2022年に仮想通貨市場にカムバックし、Twitterを最初の顧客としてポリゴン(Polygon)でUSDCの支払いを可能にしている。

2024年初めには、ソラナ(Solana)、イーサリアム(Ethereum)、ポリゴン(Polygon)の各ネットワークでUSDCステーブルコイン決済を開始。また、ストライプは最近、パクソスのステーブルコインネットワークに参加し、パクソス(Paxos)の新しいエンタープライズグレードのインフラをシステムに統合した最初のPSP(決済サービスプロバイダー)となった。

ステーブルコイン市場は、2022年のTerraUSDの破綻以降、規制当局の監視の目が厳しくなっているが、それでも、フィンテックプレーヤーにとって最も有望な分野の一つとして成長を続けている。テザーのような既存のステーブルコイン発行会社の財政的成功は、重要な動機の一つであり、同社は2024年上半期に利益が52億ドル(約7,779億円)に急増しており、利益の可能性だけでなく、ステーブルコインはさまざまな市場で貯蓄や支払いに使われるようになってきている。

一方で、ロビンフッド(Robinhood)やビザ(Visa)といった大手企業もステーブルコインの発売計画を明らかにしたことで、彼らは間もなく激しい競争に直面すると見られている。ブロックチェーン大手のリップル(Ripple)も、年内にRLUSDステーブルコインを正式に展開する見通しだ。

規制面では、EU(欧州連合)のMiCA(仮想通貨市場)規制法の枠組みなど、規制の実施が目前に迫り、ステーブルコインセクターの形が大きく変わることになる。これらの規制は、ルールを守れないプレーヤーの立場を脅かす可能性があると同時に、新規参入の機会を生み出す可能性もある。