欧州中央銀行、独自デジタル通貨について議論
欧州中央銀行(ECB)の政策立案者らは、独自デジタル通貨を発行する見通しについて、具体的な議論を検討していることをブルームバーグが報じた。
理事会のメンバーは協議が非公開であることを理由に、欧州中央銀行のスポークスマンには具体的なコメントは控えており、翌12日にラガルド新総裁の下で初となる政策決定会合が開かれる予定だ。ラガルド新総裁は、中央銀行が独自のデジタル通貨を検討すべきだと主張する一人であり、以前から「公的支援」であり得ると述べている。
欧州中央銀行はこれまで、独自デジタル通貨について前向きな発言をしており、欧州議会のために準備された文書の中で中央銀行は対応する準備ができていることが報じられている。
中国独自デジタル通貨が市場を成長させる
これには中国人民銀行がすでにデジタル通貨に取り組んでおり、金融協力の中心地である国際決済銀行は今年調査を発表したため、BISのトップであるAgustin Carstens氏は、「議論の最先端に立つ責任がある」と述べている。しかし、一方では仮想通貨に対するEU共通の対応策の策定も呼びかけており、その中にはリスクが高過ぎると判断された仮想通貨プロジェクトの禁止などの項目も含まれている。
中央銀行が自らデジタル通貨を発行する裏には、Facebookのリブラなどの民間デジタル通貨によって生じうる諸問題を克服するために、デジタル通貨の発行により民間デジタル通貨の利用の広がりを抑える狙いがあるようだ。デジタル通貨やステーブルコインに関しては民間企業のみならず、様々な国家が計画を明らかにしており、従来型の銀行システムを回避する金融手段としてますます注目が集まっている。