アンカレッジ、米国初の連邦政府公認デジタル資産銀行を発表

アンカレッジが米国初のデジタル資産銀行設立へ

OCC(Office of the Comptroller of the Currency=米国通通貨監督庁)は、Anchorage Digital Bank National Association(アンカレッジデジタル銀行全国協会)に、米国初の連邦政府公認デジタルアセットバンクを立ち上げるための許可を与えたことが分かった

仮想通貨カストディアン(※1)であるアンカレッジは、米国連邦憲章を持つ史上初のデジタル銀行を発表した。
(※1)仮想通貨カストディアンとは、カストディアンとは、投資家に代わって仮想通貨管理をおこなう機関を指す。

仮想通貨に優しいとして米国内で支持の高いブライアン・ブルックス(Brian Brooks)氏が運営するOCCは、ナショナルトラスト憲章とアンカレッジデジタルバンクの設立について、条件付ながらも、アンカレッジに対して承認を与えた。

アンカレッジは、仮想通貨市場でのサブカストディサービス(※2)の必要性を理由に、昨年末にチャーターを申請したと発表。このチャーターによって、仮想通貨を処理しない・できない既存銀行が、アンカレッジサービスを提供できるようになる。
(※2)サブカストディサービスとは、保管・決済サービスを行う銀行の専門業務を指す。

アンカレッジが取得した連邦憲章

同社は2017年に2人の元Square(スクエア)従業員によって設立され、2019年のシリーズB資金調達ラウンドでVisaやAndreessenHorowitzなどから4000万ドル、約41億5,000万円の資金調達を成功させている。

Kraken (クラーケン)とAvanti(アバンティ)はどちらもワイオミング州のデジタルバンキングサービスの州憲章を受け取っているが、アンカレッジは州憲章ではなく、「連邦憲章」を受け取った初の仮想通貨企業となった。ワイオミング憲章は、クラーケンとアバンティの両方が全国的に活動することを可能にするものの、特定制限が設けられているという。

ブルックス氏率いるOCCは、デジタル資産銀行の最初の連邦憲章をアンカレッジに付与するにあたり、国内で最も仮想通貨に敏感な規制機関の1つであると主張し続けている。また、一部の議員は、仮想通貨に重点を置きすぎているとしてブルックス氏を批判しているものの、OCCは方針を変更していない。

フィナンシャルタイムズの報道によると、ブルックス氏はDeFi(分散型金融)プロトコル(仮想通貨の自動管理システム)がいつか連邦憲章も付与される可能性があることを示唆した。