中国・海南省、ブロックチェーン産業を育成する措置を発表
2019年12月4日、海南省がブロックチェーン産業の発展を加速させるための処置として、人材育成・技術的応用・社会的投資などでブロックチェーン業界をサポートすることを発表した。中国国営メディア新華社通信が報じた。この措置はブロックチェーン特区に適応されるという。
新華社通信の記事によれば、住宅・医療・観光・貿易などの複数の分野でブロックチェーンを採用するために、10億元(約154億円)の特別基金がブロックチェーン企業に融資される。
同じ発表の中で、海南リゾートソフトウェアコミュニティ(RSC)が「Secure、Sharing、Compliance +(SSC+)」というプランの開始も明かしている。ブロックチェーンやビッグデータなどの最先端技術を統合し、安全で信頼できるデータ共有とデジタルガバナンスの実現がSSC+の目的だ。
中国のハワイは第二の香港となるか
昨年10月8日に新華社通信が報じた記事によれば、中国初のブロックチェーン実験特区が中国南部の海南省海口市でスタートした。
海南省は昨年4月に12番目の自由貿易試験区(経済特区)になっている。自由貿易区は現在18あるが、香港とマカオに次いで政府が重要視しているのは上海・深セン・海南省で、政府からかなりの権限が与えられているという。中国政府としては、海南省を外に開かれた場所にし、経済のグローバル化を推進したい思惑だ。このため自由貿易区の面積としては最も広くなった(四国の約2倍)。
海南省工業信息化庁庁長Wang Jing氏によれば、実験特区は世界中のブロックチェーンの頭脳を集め、ブロックチェーンを国際間決済・包括的な金融・クレジット評価などに対応させるための場所になるという。
取引所Huobiは今年9月に海南省に本社を移転しているが、中国大手検索エンジンBaidu(百度)のブロックチェーン研究開発会社Dulian Network Technologyも本社を海南省に置いている。これまでに100以上の組織や企業が参入しており、今後さらに研究所や大企業が続々と海南省に会社を設立するだろう。アリババとその金融関連企業アントフィナンシャルも海南省政府と提携し、協力する姿勢を見せている。
ブロックチェーンを推進する都市は他にもあり、自由貿易区の福建省では、地域政策として企業に対してブロックチェーンの活用を推進している。開放体制は金融・付加価値通信・医療などに拡大しているため、海南省と合わせて注目したいエリアだ。