元モルガン・スタンレー開発者、デリバティブ取引を開始

元モルガン・スタンレー開発者、デリバティブ取引を開始

モルガン・スタンレーの8人の元開発者らが、シンガポールで仮想通貨デリバティブ取引「Phemex」を提供開始した。Phemexは従来の取引プラットフォームよりも10倍速の処理能力があるとのこと。加えて、個人投資家と機関投資家を対象とし、ビットコイン、イーサリアム、リップルの100倍のレバレッジ取引を提供する。また、将来的には、株価指数、金利、外国為替、農産物、金属など、伝統的な金融商品を裏付けで利用することも明らかにしている。

共同設立者「ナスダックと同レベル」と自信を覗かせる

Phemexの共同設立者であるJack Tao氏は、構築した取引システムはウォール街に引けを取らないとして、以下のようにコメントを発表した。

「私たちは、ウォール街と同じレベルの洗練されたシステムを、仮想通貨デリバティブ市場に世界規模でもたらします。マッチングエンジンやトレーディングエンジン、リスクエンジンが半年で構築しました。プラットフォームは、技術的にナスダックと同レベルといえます。」

Tao氏はモルガン・スタンレーの幹部として、約11年間勤務している。また、Tao氏はPhemexで近いうちにオプション取引を取り入れることも、コインテレグラフに語っている。Tao氏はPhemexの立ち上げに伴い、高度な技術を持った30人以上のエンジニアでチームを編成したとのこと。

「私たちは、単純に取引機能を提供するだけではありません。モルガン・スタンレーの幹部として、どのような手段や方向性、またはどのようなアーキテクチャが、安定性や高頻度取引を実現できる高度なシステムを構築できるかを知っています。Phemexの優秀な点は、まさにここでしょう。Phemexの取引システムであれば、既存のプラットフォームと競合できるだけでなく、それらを上回ることも可能です。」

また、11月25日の立ち上げ以降、BTC/USDの取引ペアで1日あたり約1000BTCが取引されているとのこと。取引量を見る限りでは、着実に結果が出ていることが伺える。

仮想通貨デリバティブ、シンガポール金融庁規制下に

Phemexが拠点を構えているのはアジアの金融セクターの1つであるシンガポールだ。シンガポールでは中央銀行とMAS(シンガポール金融庁)が仮想通貨デリバティブを、規制下に置くことが11月に提案されている。具体的には、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨デリバティブを、市が定める証券先物法の対象にするというものである。