コロナパンデミックで銀行は資産を失った
コロナウイルスパンデミックは、既存銀行だけでなく、金融市場セクターにも多大な負担をかけ、前例のない損失を引き起こしている。
パンデミック発生以前は、6つの主要銀行がビットコインの時価総額を上回っていたが、発生以降、世界の14の大銀行は時価総額にして635.33億ドルを失っている。これは、ビットコイン(Bitcoin/BTC)の現時点での時価総額の3倍以上で、すべての仮想通貨の時価総額のほぼ2倍に相当する。(※2019年12月から2020年8月までのコロナウイルス発生時の最大のグローバル銀行の毎月の時価総額:10億米ドル)
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このデータの出発点は12月19日まで遡る。ちなみに、当時のビットコイン時価総額は1,300億ドル(約137億4,000万円)だ。期間中、14銀行のうち、日本を拠点とするみずほフィナンシャルグループの変動が最も少なく、-11.33%という数字がはじき出された。(※コロナウイルス発生時の時価総額の世界最大の銀行の損失:10億米ドル)
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世界がパンデミック誘発の景気後退に突入する中、リストに載っている6つの銀行の時価総額はビットコインよりも高かったが、現在、アメリカ・ニューヨークに本社を構えるJPモルガン・チェース(JPMorgan Chase & Co.)とアメリカ・ノースカロライナ州シャーロットに本社を構えるバンク・オブ・アメリカ(Bank of America Corporation)の2つだけがビットコインの時価総額より大きい状況だ。さらに、既存のトップクラスの銀行をじわじわと追い詰めているのが、中国工商銀行で、同銀行は現在、仮想通貨と提携も始めている。
ただし、リストに記載されているすべての銀行は時価総額で数十億ドルを削減しており、ビットコインは同じ期間で620億ドル(48%)を獲得している。
世界最大の年金基金は、第1四半期にビットコインの時価総額に相当する額を失っていることでも記憶に新しい。一方、グレイスケールのビットコイントラストの成長に反映されるように、ビットコインは従来の投資家の間で前例のない採用を獲得している。これに反応するかのように、上場企業でも最近、ビットコインを準備通貨に採用している企業が後を絶たない。
万が一、仮想通貨市場と既存銀行のスケールが逆転したとしても、大手銀行がすぐになくなる可能性は低い。しかし、銀行はより強力なパンデミックに突入しており、通常の収益性に戻るまでには時間がかかるとみる専門家も多く、既存銀行やその概念に縛られている間は、価値提案の再定義に苦労しているようだ。銀行は、新しいビジネスモデルで新しい顧客の標準に適応し、ブランドのロイヤルティを促進するものを再考する必要があり、既存銀行が今回のパンデミックで経験した否定的な結果の部には、世界中の中央銀行からの数兆ドルの刺激によっても引き起こされた可能性があると考えられる。
記事参照:CoinTelegraph