WirexがVisaプリンシパルメンバーシップに
VisaはFinTechFast Trackプログラムを無事完了した決済企業のWirexに対し、ヨーロッパのネットワークであるプリンシパルメンバーシップ(※1)を許可したことがWirexプレスリリースによって発表された。
Visa主要メンバーとなったWirexは、アメリカ国内での発売に先立ち、Visaアカウントを発行し、トランザクションを処理する権限を同社に付与している。なお、「コインベースが仮想通貨関連企業として初のVISAプリンシパルメンバーに https://nextmoney.jp/?p=28369」 で紹介したように、Coinbaseが仮想通貨市場初のVISAプリンシパルメンバー加入企業であり、Wirexは市場2番目に加入した企業となった。
(※1)プリンシパルメンバーシップとは、ペイメントジャイアントやその他の特典を介してカードを発行できることを指す。
今回新たにVisaプリンシパルメンバーシップに加入したことで、より自律性が高まり、Visaカード自体のアカウントを単独発行できるようになった。トランザクションを処理し、処理サービスを提供できるとのことだ。
Wirexはすでに、ユーザーが自分の仮想通貨で支払いができるVisaカードを持っており、Mastercardの主要メンバーでもある。同社は2015年にVisaカードを発売しており、ユーザーはVisaが受け入れられている130カ国の数百万カ所で自動的に法定通貨へと変換させて暗号通貨で支払うことができる。現在、WirexのデビットカードはVisaによって発行されており、ヨーロッパとアジアで利用可能だ。
また、Wirexはアメリカでの発売について「差し迫っている」と表現しているが、Wirex USAは、8月にジョージア州銀行財務局から最初の送金ライセンスを取得している。アメリカでの発売に向けてすでに準備が進められており、単一通貨のVisaカードがまもなく発売される予定だ。
Wirexにはキャッシュバックプログラムもあり、ユーザーはWirexネイティブトークンWXTを保持すると報酬を受け取れるサービスも展開している。同社は2019年と比較して、今年はアプリでの仮想通貨取引きが271%も大幅に増加している。
Visaの仮想通貨の責任者であるキュー・シェフィールド(Cuy Sheffield)氏は次のように述べている。
Wirexのような革新的なフィンテック企業と協力し、顧客がVisaネットワーク上の6,100万件を超える加盟店でデジタル通貨を使用できるようになることに興奮しています。
Visaは11月23日にはVisaCommercialを立ち上げるため、Conferma Payと戦略的パートナーシップを発表。アプリを介した従業員のモバイルデバイスへのオンデマンド仮想カード発行を含む、包括的なカードプログラム管理機能をVisaの商用クライアントに提供するなど、
12月1日(火曜日)、BlockFiとの契約を発表し、ビットコイン(Bitcoin/BTC)でポイントを支払うクレジットカードを市場に投入することが発表。
NEXTMONEY12月3日付の「大手決済Visa「ステーブルコインUSDC」統合カードを発行へ」で特集したように、Circle Internet Financial (サークルインターネットファイナンシャル)とパートナーシップを提携し、ドルペッグステーブルコインであるUSDコイン(USD coin/USDC)を使えるようにするのではないかとみられている。
このように、Visaは仮想通貨市場へ積極的に進出する動きを見せており、今後その勢いはさらに加速していくものとみられる。