コインベースが仮想通貨関連企業として初のVISAプリンシパルメンバーに
アメリカの大手暗号資産取引所のコインベースが2月19日、クレジットカード大手のVISAからプリンシパル・メンバーシップ(カード発行を直接行うことができる企業)の権利を取得したことを明らかにした。純然たる暗号資産関連企業で、VISAメンバーシップ企業になるのは、コインベースが初めてという。
VISAのプリンシパル・メンバーシップは、厳密な審査を通過した企業に与えられるメンバー登録証。メンバー登録を受けた企業は、VISAとライセンス契約を結んで直接VISAカードを発行したり、他の企業にデビッドカードを発行したりすることができるという。
なお、コインベースは2019年、Paysafeと提携し、コインベースアカウントの残高と連動するVISAデビットカードであるコインベースカードを発行。銀行口座と同じように暗号資産を使えるようにするカードで、現在、イギリス、イタリア、スペイン、フランス、ドイツ、オランダ、スウェーデン、エストニア・ノルウェー・ポルトガル・デンマークなど、世界29カ国で顧客が利用でき、加盟店数は数百万、決済に使用できる暗号資産は10種類に上る。
コインベースカードの顧客は、海外での資金調達から公共交通機関の利用など、幅広い分野で活用しており、カードにサインアップした顧客の半数以上が定期的に使用しているという。カードの使用者は、イギリスが最も多く、イタリア、スペイン、フランスが続いている。
そうした成功もあり、VISAは、コインベースとのメンバーシップ締結を決めた。コインベースは、VISAのプリンシパルメンバーになったことで、Paysafeへの依存度を減らしながらも、カード決済スタックをコントロールできるようにするという。
コインベースは、今回の提携について「暗号資産が実用的なものとして広く普及していくための重要な節目である」と強調。プリンシパルメンバーシップとして登録を受けたことによって、コインベースカードの利用者により多くの機能を提供できるとしている。