中央アフリカ共和国は世界2例目:法定通貨としてビットコインを採用

中央アフリカ共和国がビットコインを法定通貨に

世界最貧国の一つである中央アフリカ議会は、ビットコイン(Bitcoin/BTC)を法定通貨とする法案を全会一致で可決したことが明らかになった。

この決定は、同国の経済活性化計画の一部であり、CAR(Central African Republic=中央アフリカ共和国)が仮想通貨を貨幣として合法的に採用したアフリカ初の国となった。以前から中央アフリカ共和国がビットコインを採用することに関心を持っているという噂があり、財務大臣であるエルベ・ンボダ(Herve Nboda)財務相が仮想通貨を規制する法的枠組みを作成していることを明らかにしたことで注目が集まっていた。

フォースタン・アルシャン・トゥアデラ(Faustin Archange Touadera)大統領のチーフスタッフであるオベド・ナムシオ(Obed Namsio)氏は声明の中で次のように語っている。

ビットコインの法定通貨導入は、中央アフリカ共和国を、世界で最も大胆で先見の明ある国と位置づけるものです。


長引く紛争により経済低迷回復の起爆剤となるか

中央アフリカは金やダイヤモンドの埋蔵量に恵まれているが、長引く紛争により経済低迷が続いていることもあり、大統領府高官はビットコインの導入により国民の経済状況が改善すると強調している。

CARにおけるビットコインの採用は、CARの経済全体の複数のセクターにブロックチェーン技術を導入・実装し、同国が必要とする新しいWeb 3.0の後押しとなるため、同国のインフラを刷新することが期待されている。なお、ビットコインの法定通貨採用については、中米のエルサルバドルがビットコインを法定通貨として正式に採用して以降、2例目になる。

実際、エルサルバドルではビットコイン導入後、観光客数が大幅に増加し、多くの投資が行われているほか、国外に住む多くのサルバドール人は、これまで米ドルに頼って送金していたが、よりシンプルで低コストの代替手段としてビットコインを利用している。さらに、エルサルバドルはビットコインの合法化とともに、ビットコインの取引や現金の引き出しを容易にするため、ウォレットアプリChivoやビットコインATMも導入している。

一方で、国単位でのビットコインの採用は2カ国にとどまっているものの、3月にはスイスのルガーノがテザーとの提携により、テザー(Tether/USDT)や独自のルガーノ市の公式通貨LVGAトークンと並んでビットコインを通貨として採用する動きを見せている。