チェイナリシス(Chainalysis)が米空軍と1年の契約を締結
米空軍が、ブロックチェーン分析を手掛ける企業であるチェイナリシス(Chainalysis)と契約を結んだことが分かった。2020年5月19日に署名された契約は1年間で、契約の内容は「cryptocurrency data subscription (仮想通貨データサブスクリプション)」と呼ばれ、799,000ドル(約8,500万円)の価値があるとみられている。
これまでに、空軍はChainalysisとの間に2件の契約を結んでおり、その総額は計、約910,000ドル(約1億円)相当にのぼる。なお、最初に行われた契約は2018年6月に締結されており、当時110,500ドル(約1200万円)で合意されたが、2019年6月に期限切れになっている。
政府はチェイナリシス(Chainalysis)がお気に入り
チェーン分析を手掛ける企業のチェイナリシス(Chainalysis)のブロックチェーン分析ソフトウエアに関して、アメリカ政府は特にお気に入りのようだ。
Chainalysisはこれまで、以下の政府関係機関で利用されてきた実績を有している。
・FBI (Federal Bureau of Investigation=アメリカ連邦捜査局)
・DEA (Drug Enforcement Administration=アメリカ麻薬取締局)
・ICE (U.S. Immigration and Customs Enforcement=アメリカ合衆国移民・関税執行局)
・SEC(U.S. Securities and Exchange Commission=アメリカ証券取引委員会)
・CFTC(U.S. Commodity Futures Trading Commission=アメリカ商品先物取引委員会)
・FinCEN(the Financial Crimes Enforcement Network=アメリカ金融犯罪取締執行ネットワーク)
・IRS (Internal Revenue Service=アメリカ合衆国内国歳入庁)
・USSS (United States Secret Service=アメリカ合衆国シークレットサービス)
・TSA(Transportation Security Administration=アメリカ合衆国運輸保安庁)。
Chainalysisも空軍も、両社ともに契約についてコメントしていないが、ハイテク犯罪について法執行官を訓練する会社であるNW3C (National White Collar Crime Center=全国ホワイトカラー犯罪センター)のハイテク犯罪専門家であるケイシー・ボーン(Casey Bohn)氏は、政府機関がブロックチェーン分析ツールを求める理由を洞察した。ボーン氏は次のように述べている。
仮想通貨を含む犯罪活動家らは、私がこれを言うのが嫌がる傾向にある。(犯罪は)増加している。私は人々が、“彼ら(犯罪者ら)が資産を隠すかもしれない方法”で、もっと斬新であるようにしようとしていると思う
いくつかの調査報告書には、ボーン氏の発言が反映されており、ダークネット関連の犯罪とデジタル通貨のキャッシュフローが年々増加していることを発見した。調査によると、デジタル通貨のコインミキサーの使用が増加しており、デジタル通貨を使用する犯罪者は簡単にトラックを隠すことができる。
そうは言っても、ブロックチェーン分析ツールは、デジタル通貨サービスプロバイダーにとって必須のリソースになりつつあり、分析ツールを使用することでユーザーはブラックリストに登録されたデジタル通貨アドレスと、不正なソースから発生した資金を特定できるのが現状だ。