クレイグ・ライト氏が著作権侵害問題でビットコイン.orgに勝利
ビットコインの自称発明者であるクレイグ・ライト(Craig Wright)氏は、bitcoin.orgの偽名の運営者「Cøbra」に対する著作権侵害訴訟で、勝利したことが明らかになった。
Bitcoin.orgとその所有者であるCøbraは、ビットコインのホワイトペーパーをサイトから削除し、訴訟費用として48,000ドル(約530万円)の支払いを命じられた。さらに裁判所は、Bitcoin.orgに裁判所の判決のコピーをウェブサイトに6カ月間公開するよう命じる、ライト氏の要求を認める判決を下した。
ライト氏とBitcoin.orgの運営者であるCøbraとの間の訴訟は、ライト氏が2019年5月にビットコインホワイトペーパーに著作権侵害の申し立てを行ったことで始まっており、NEXTMONEYの特集記事「クレイグ・ライトの弁護士、2サイトにBTCホワイトペーパーの削除依頼」でも報じている。
Cøbraはこれ以上争うのはナンセンスと白旗
ライト氏は、自身がビットコインの生みの親であるサトシ・ナカモトであるとして、bitcoin.orgとCobraに対して、2021年2月24日、イングランドおよびウェールズのビジネス裁判所および財産裁判所の知的財産リストを介して訴訟手続きが開始されていた。
今回の判決に対してライト氏は、著作権の司法上の立証を取得するという使命を果たす形となり、Cøbraがビットコインのホワイトペーパーで「これ以上クレイグと戦うのはナンセンスだ」と主張したことで幕を閉じた形となり、Cøbra氏はTwitterで次のように語っている。
All your fiat based assets are ultimately secured by the same legal system that today made it illegal for me to host the Bitcoin whitepaper because a notorious liar swore before a judge that he's Satoshi. A system where 'justice' depends on who's got the bigger wallet.
— Cøbra (@CobraBitcoin) June 28, 2021
ライト氏の法定代理人である弁護士事務所ONTIER LLPは、著作権侵害に関してCøbraに、ライト博士の著作権を侵害しているため、ビットコインのホワイトペーパーをウェブサイトから削除するように要求するメールをBitcoin.orgに送信している。
ビットコインホワイトペーパーへのアクセスを制限はしない
ライト氏は、ビットコインコア(BTC)のような他の資産の支持者や開発者にのみ敵対的な感情を持っている。
ビットコインコアなどの代替資産のサポーターや開発者が、ビットコインのビジョンをサポートしていないことを考えると、それらの資産をビットコインであるかのように宣伝したり、誤って伝えたりすることに懸念を抱いている。一方で、法律事務所のシニアアソシエイトであるサイモン・コーエン(Simon Cohen)弁護士は、ライト氏はビットコインホワイトペーパーへのアクセスを制限するつもりはないと述べたうえで、次のようにコメントした。
ホワイトペーパーで著作権の司法上の証拠を取得するというライト博士の探求における重要な進展で、英国の裁判所が「Cøbra」にホワイトペーパーを英国で利用可能にすることを差し止めたことは注目に値します。