マイニング大手ビットメイン、南米進出へコンサル企業と協力
中国発の大手マイニング企業であるビットメインが、南米進出へ向けてコンサルティング企業2社と提携を発表した。これによって、FastblockとBit5iveが南米におけるビットメインのマイニング機器Antminersの公式ディストリビューターとなる。
CoinSharesの報告によると、ビットメインのハッシュレートシェアは6月の70%から66%に減少している。ビットメインでは共同創業者であるジハン・ウー氏とミクリー・チャン氏の争いも起こっており、結果的にはチャン氏が敗れ強制的にCEOの職から退任させられてしまった。チャン氏はこの件に関して、法的措置を講じて本来のポジションに戻ると意向を示した一方で、ウー氏はビットメインのプライベートパーティーでCEOに就任することを明かしている。こうした内紛などの影響もあり、ビットメインは将来性を不安視されていた部分があった。
こうした懸念を払拭するためか、マイニングリソースの追加に精力的に取り組み始めている。今年8月には、60万台分のマイニングチップを購入したており、この追加投入によって12億ドルの利益が見込まれている。加えて、今年10月にはテキサス州に新たなマイニングファームを立ち上げ、事業規模を拡大させている。
今回の2社との提携も、事業拡大のため南米進出を本格的に意識してのことだろう。プレスリリースによれば、Bit5iveは自社で手がけている30の国と地域でAntminersの販売を担当する。Fastblockもブラジル市場を中心に販売に協力予定となっている。AntminerのセールスディレクターであるIrene Gao氏は、「南米は仮想通貨マイニングの重要なセクターであり、私たちはマイニングコミュニティと現地企業の協力のもと、Antminerの普及と信頼獲得に努めていきます」と抱負を語っている。
中国系マイニング事業者が市場を独占
中国系のマイニング事業者が市場でも存在感を示している。今回のビットメインはもちろんだが、同じく中国系のカナンも業績好調が後押しして米国でのIPOを実施予定となっている。また、CoinSharesがここ最近発表したレポートによれば、ビットコインのハッシュレートは半分以上が中国勢が占めている。
中国では仮想通貨取引所の厳しい取り締まりが起こっており、マイニング事業も規制が検討された。しかし、結果的に規制は行われなかった。中国系マイニング事業者の強烈な勢いが、国益にも繋がると政府は見込んでいるのかもしれない。