グレイスケールとフィデリティがETF計画からステーキングを削除

SECはイーサリアムとステーキングされたETHを区別

SEC(米国証券取引委員会)は承認プロセスでイーサリアム(Ethereum/ETH)とステーキングされたETHを区別すると考えているとみられており、グレイスケールとフィデリティがETF計画からステーキングを削除した事がわかった。

SECは、ステーキング機能を含まないスポットイーサリアムETF(上場投資信託)を承認する可能性があると示唆。しかし、Galaxy Digitalの調査責任者アレックス・ソーン(Alex Thorn)氏は、SECは承認プロセスでイーサリアム(Ethereum/ETH)とステーキングされたETHを区別すると考えており、次のように述べている。

イーサリアムETFに関するSECの180度転換の憶測が本当なら、SECは「ETH」が証券ではないことと「ステーキングされたETH」、またはもっと曖昧に言えば「サービスとしてのETHのステーキング」が証券であることのはざまで針の穴を通そうとしているのではないかと思う。

同氏によると、ETHとステーキングされたETHの間に”明確な境界”を設けることで、SECは、イーサリアム財団やConsensys(コンセンシス)のようなイーサリアム関連団体に対する疑惑の調査を含む過去の行動と矛盾することなく、スポットイーサリアムETFを承認できるという。

グレイスケールがイーサリアムETF計画からステーキングを削除

Grayscale(グレイスケール)は業界のトレンドに沿って、SECの積極的なフィードバックを受けて修正された提出書類を受け、イーサリアムETF計画からステーキングを削除した。

この変更は、2024年5月21日(火曜日)に提出されたグレイスケール・イーサリアム(ETH)トラストの修正予備委任状で明らかにされ、元の提出書類では、信託を通じて投資家にステーキングを提案していたが、修正後は削除されている。

修正された委任状で同社は、修正案第2号の主な目的は提案2を削除することだと述べているが、この提案にはステーキングが含まれていたとのことで、最新の提出書類には含まれていない。

フィデリティもS-1修正でイーサリアムETFのステーキングを削減

スポットイーサリアムETF申請者のフィデリティ(Fidelity)も、申請を修正し、ステーキング機能を削除している。

フィデリティは、提案中のスポットイーサリアムETFについて、修正されたS-1申請SECに提出。更新された申請書では、ETFの基礎となるイーサ(ETH)トークンはステーキングされないことが明確にされており、ステーキング活動のセキュリティと規制への影響に関する懸念に対処するものである。

この修正は、SEC がスポット イーサリアム ETF に対する姿勢を覆した可能性があるという最近の報告を受けてのもので、政治的圧力が SEC のアプローチに影響を与えていると考えられている。そのため、SECは発行者に、提案されたETFの運用面と手続き面の詳細を記載した19b-4 申請の修正を要求したとのことだ。