タンザニア中央銀行かCBDCの立ち上げ調査開始
タンザニアの中央銀行は、CBDC(中央銀行の発行するデジタル通貨の調査を開始したことが明らかになった。
11月26日(金曜日)付けのブルームバーグの報道によると、タンザニア銀行のフローレンス・ルオガ(Florens Luoga)総裁は、COFI(the 20th Conference of Financial Institutions=第20回金融機関会議)で国のCBDC計画を発表。同総裁は、CBDC計画について、10月にナイジェリアが独自CBDC「e-Naira」を立ち上げたことに触発されたと述べ、デジタル通貨の研究を拡大させ、チーム能力の強化をしているとのこと。e-Nairaと同様に、タンザニアはCBDCを法定通貨にする予定はないものの、既存法廷通貨のタンザニアシリングを補完する形になると言い、次のように語った。
私たちの国が中央銀行のデジタル通貨の採用に取り残されないようにするために、タンザニア中央銀行はすでに独自のCBDCを持つ準備を始めています。
アフリカ諸国でCBDC準備が急増
ルオガ総裁は、タンザニア中央銀行が外貨準備を多様化するため、地元の製油所から金を購入する計画を明らかにしている。
タンザニアでは、国のインフレ率が2021年から22年にかけて目標の3%から5%の範囲内にとどまると予想。それでも、タンザニア当局は、仮想通貨関連の投資について引き続き慎重であり、ボラティリティ(価格の高低差)を理由に、リスクについて人々に警告し続けている。
タンザニアでは2019年以降、中央銀行が法律で仮想通貨を禁止しており、国内での仮想通貨取引は制限されていたが、サミア・スルフ・ハッサン(Samia Suluhu Hassan)大統領が、大統領就任直後、仮想通貨へのスタンスが変わったとみられる。一方、ナイジェリアはドイツのFinTech企業と提携し、法定通貨であるナイラを補完するデジタル通貨を立ち上げており、ナイジェリアは2020年、独自にCBDCを立ち上げたバハマに続き、CBDCを発行した2番目の国になった。実際、ナイジェリアやバハマに触発される形で、他のアフリカ諸国も同様にCBDCを立ち上げる計画を発表しており、タンザニアもこれに続く形だ。
富裕国がデジタル通貨の台頭を懸念し、業界をますます抑制する一方で、新興国はデジタル通貨の担い手になりつつあり、特にアフリカ諸国は、CBDCを発行する準備を行なっている国が多い。その証拠に、ガーナ銀行はまもなくCBDCを開始すると発表したほか、南アフリカ、ジンバブエ、ナミビアなどの国々も、CBDCの実現可能性を模索しているとのこと。