仮想通貨取引所BitMEX、売上げが「33%」の急落
ビットコイン愛好家が2019年7月20日にツイートした内容によると、BitMEXと米国商品先物取引委員会(CFTC)との間に問題が発生したことによって、その日のうちにBitMEXの出来高が33%落ち込んだとのこと。
BitMEXでは、決済期限のない所謂「FX」と、決済期限(満期日)のある「先物取引」があり、ユーザーはレバレッジ100倍でのトレードが可能。今回は「先物」の方で問題が発生した。
BitMEXにCFTCの調査が入る
2019年7月19日、アメリカの大手情報サービス会社ブルームバーグは、事情に精通している関係者から聞いた情報として、CFTCが仮想通貨交換所BitMEXを調査していると発表した。匿名を条件に語った関係者によると、CFTCの調査は非公開で行われており、調査内容は、BitMEXが米国人に対して先物取引サービスを提供することがルールに抵触しないかどうかというもの。調査はすでに数ヶ月に渡って進められている。
商品の先物取引やデリバティブに関する管轄権を持つCFTCにとってみれば、ビットコインは商品(Commodity)であり、もしBitMEXが米国人に対してビットコイン先物取引を提供しているならば、BitMEXはCFTCに事業者として登録する義務が生じる。
なお、BitMEXはアフリカ大陸の東に位置するセーシェル共和国に拠点があり、本社が香港で、アメリカにも事務所がある。だが今回の問題は、どこに会社を構えようが「米国人に対して先物取引を行っているか否か」だ。
似たような問題で、バイナンスの対応は記憶に新しい。バイナンスは米国人の利用を制限し、その上で新たに「Binance US」の設立を発表した。
仮想通貨メディアサイトCointelegraphがBitMEXのスポークスマンに対してコメントを求めると、「BitMEXの運営企業HDR Global Trading Limitedは、会社の方針として、政府機関や規制当局による質問や調査に関するメディアの報道についてコメントしません。この件についてもコメントしません」と回答。
今回の調査に関してCFTC側はコメントをまだ出していないが、BitMEXの不正を暴いたり、摘発したりするものではないとしている。
問題があるとすれば、CFTCの調査がブルームバーグによって報道された後に発生した「BitMEX疑惑」だ。パニックが起きれば、ビットコインの価格にも影響が出かねない。