イラン、仮想通貨マイニングを正式に産業として認める

イラン、仮想通貨マイニングを正式に産業として認める

イラン政府の経済委員会が、「仮想通貨に係るマイニングのメカニズム」を承認し、仮想通貨マイニングを正式に産業として認めた。イラン国内においてマイニングファーム運営の国内法適用を求める声を受けての対応。イラン商工鉱業農業会議所が22日、公式サイトにて発表した。

マイニングを正式な産業として認める伏線は以前からあった。経済委員会のトップ、エリヤス・ハズラティ氏は最近の会合で、「仮想通貨は政府公認の産業である」と発言。以下のように続けている。

「仮想通貨産業がイランで正式な産業として認められるべきだと考えている。税収や関税で有利に立てればと思う」

経済委員会は21日、マイニング業者に対する関税の仕組み作りの最終調整に入った。燃料代などが関税を決める要素になるという。

マイニング承認の背景に、ビットコインの需要の高まり

イランでは電気代が安価なことなどを理由に、国外から多くのマイニング業者が押し寄せ、慢性的に電力供給が不安定な状況が続く。そのため、同国政府はマイニング業者への電力供給を遮断する意向を示すなど、仮想通貨マイニングや取引に厳しい態度を示していたが、今回の承認で、同国内のマイニング事業に関して肯定的な立場に転換するとみられる。
一方で、米国からの経済制裁を受けて経済不況に悩まされるイランでは、ビットコインの避難通貨としての需要が高まっている。

そのため、7月初旬に同国のヘマティ総裁は「ビットコインを国内経済のために利用するべきだ」と言及するなど、仮想通貨の受け入れに前向きな姿勢を示していた。(小村海)