イングランド銀行総裁が仮想通貨について普及していないと主張
イギリスの中央銀行にあたるBoE(Bank of England:イングランド銀行)のアンドリュー・ベイリー(Andrew Bailey)総裁は、仮想通貨の導入が主流の金融に影響を与えることができていないという見解を表明した。
2024年1月10日(水曜日)、米国のスポットビットコインETFが承認されたことは、デジタル資産の大量導入に向けた進行中の闘いにおける重要な前進として歓迎された。しかし、BoEのベイリー総裁は、仮想通貨の大量導入に対して懐疑的な姿勢を表明しており、仮想通貨は「普及していない」との見解を述べている。
トップバンカーが仮想通貨導入の停滞を主張
同総裁は、英国議会の財務委員会で講演した歳、デジタル資産は国民や規制当局の信頼を勝ち取るのに苦労していると述べ、仮想通貨の主流採用に疑問を表明した。
主張を明確にするために、非効率な決済手段としてビットコインの欠点を挙げた同総裁は、次のようにコメントしている。
私自身の感覚では、中核的な金融サービスと呼べるものとして成長していないと感じています。
過去の導入率が主流の統合に向けた軌道に乗っているように見えることを同総裁は認めたものの、仮想通貨市場は現時点で“勢いを保っていない”ため、デジタル資産は将来的にも世界金融システムの周縁部に留まるだろうと結論づけた。同総裁のコメントは、英国を「世界的な暗号資産技術ハブ」に発展させるという政府目標を繰り返し強調してきた財務省のメッセージと矛盾。しかし、何人かの評論家が指摘しているように、英国での仮想通貨使用の現実は世界的な仮想通貨ハブの現実とは程遠いのが実情だ。
英国の仮想通貨ハブによるボロボロの野望
英国政府はこの新興分野でイノベーションをリードしたいという願望にもかかわらず、その目標を達成するにあたって挫折に直面してきた。
FCA(金融行動監視機構)が投資家にデジタル資産投資に伴うリスクの認識を示すよう義務付けた厳格な新たな検査は、行き過ぎの一例として批判を引き起こしている。テストに不合格となったユーザーは、仮想通貨の購入が禁止される。同様に、仮想通貨の大量導入に対するもう一つの障壁は、敵対的な銀行環境である。英国の銀行のほぼ半数はデジタル資産取引をサポートしておらず、その多くは仮想通貨取引所によるセキュリティチェックが不十分であると指摘している。
ベイリー総裁によると、仮想通貨が主流になる勢いはほとんどないという。なお、今回の声明には議論の余地があるものの、多くの観察者は英国当局が仮想通貨業界の成長を支援するために十分な努力をしていないことに同意している。