ヴィタリック・ブテリン氏のイーサリアムへの影響力の低下
仮想通貨市場において、絶大な影響力を誇る一人であるイーサリアム(Ethereum)の共同創設者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、イーサリアムに対する影響力が低下し、物事を実現させるのが難しくなっていると主張していることが分かった。
最近、仮想通貨業界には「間違って実装された場合、多くのディストピア(※dystopia=反理想郷、ユートピアの対義語)の可能性がある」という懸念を表明した同氏は、イーサリアムに対する影響力が、半年前とは大きく異なると考えている。米国のハイテク起業家で投資家のネイバル・ラビカント(Naval Ravikant)氏とのインタビューで同氏は、イーサリアムへの影響力は半年ごとに減少し続けていると感じている事を吐露している。
イーサリアムで変更を加えるのが難しく
ブテリン氏は、イーサリアムで物事を起こすプロセスは3年前よりも間違いなく“民主主義”であり、イーサリアムプロトコルに変更を加えることを困難にしていると説明し、次のように述べている。
今でも、かなりのことで窓が閉まっているような気がします。今日でも大きなことをするのはますます難しくなっています。
ブテリン氏が推進しているEIP(Ethereum Improvement Proposals=イーサリアム改善提案)のいくつかはそれほど遠くないものだと語っている。さらに同氏は。すべての人々の懸念を満たすためにかなり一生懸命努力する必要があると語っている。同氏は、採用されなかった推進した最大のイニシアチブとして「EIP-4488」を指摘しており、EIP-4488の変更により、短期的にイーサリアムのロールアップのコストを削減することを提案していた。
マーケットリーダーの1つとして、イーサリアムの成功・失敗は、より広範な仮想通貨市場に影響を与える傾向があり、その重責を背負うブテリン氏の影響力低下は、今後のイーサリアムのかじ取りとともに、市場が固唾(かたず)を飲んで見守っている。