欧州中央銀行総裁、率先したステーブルコインの問題解決へ

欧州中央銀行総裁、率先したステーブルコインの問題解決へ

2019年12月12日、欧州中央銀行(ECB)総裁のChristine Lagarde氏が「個人的な信念ではあるが、ステーブルコインに関しては私たち(ECB)が先を進むべきだ。明らかに私たちが対応しなければならない要求がある」と会見で述べ、ステーブルコインの市場需要に対応する必要があることを明かした。

この会見では、EBCが中央銀行のデジタル通貨を調査することが確認され、2020年半ばにはレポートが発表される予定とのこと。

Lagarde氏の考え

今年11月1日に初の女性総裁として就任したLagarde氏は、デジタル通貨の支持者でも知られている。このため、ブロックチェーンや仮想通貨といった新しい貨幣価値をベースに欧州中央銀行を変革する存在として注目を集めている。彼女は2018年にシンガポールで行われた会議でも「中央銀行はデジタル通貨を検討すべき」と発言。デジタル通貨にはリスクがあるものの、中央銀行は創造的に立ち向かうべきであり、変化するテクノロジーに対して、自分たちも変わるべきであるとした。

同時に彼女はIMFでマネージングディレクターを務めていた際、必要な安定性を失うほどシステムを大きく揺さぶるようなイノベーションは望まないとも語っていた。ビットコインのような価格変動の激しい仮想通貨の存在が、従来の銀行システムを混乱させていると考えていたようだ。

Lagarde氏は仮想通貨支持者ではなく、中央銀行が発行する法定通貨をデジタルに変換したデジタル通貨の支持者であることを忘れてはいけない。むしろ安全性や投資家の保護のためには、仮想通貨業界を著しく締め付ける規制をかける可能性もあるのだ。

ECBのデジタル通貨は発行可能か

ECBで総裁を務めたことがあるMario Draghi氏やJean-Claude Trichet氏は仮想通貨は通貨ではなく投機として見ている。欧州連合の財務大臣は、ステーブルコインに対して「まだ経済のテーブルに座るべきではない」と消極的だ。

2016年12月からECBと日本銀行はブロックチェーンに関する共同調査プロジェクト「プロジェクト・ステラ」を実施している。今年6月の発表では、国際送金の安全性が確保されることが確認され、中央集権型ブロックチェーンでも安全な国際送金が実装可能だと確認された。今後は送金方法に関する法律面やコンプライアンス面の検討を進めていくことが望ましいとされることから、ECBの独自通貨発行もそう遠くないかもしれない。

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