仮想通貨取引所ジェミニが500万ドルの罰金支払いでCFTCと和解
CFTC(米国商品先物取引委員)は、ジェミニ・トラスト・カンパニー(Gemini Trust Company)との間で、裁判官の承認が得られれば民事裁判を回避できる可能性があるとの合意に達したことが明らかになった。
ニューヨーク南部地区連邦地裁に2025年1月6日(月曜日)に提出された書類によると、CFTCはジェミニに対する未解決の請求をすべて解決する同意命令案を提出。承認されれば、ジェミニは500万ドル(約7.9億円)の民事罰金を支払う必要があり、CFTCに対する虚偽または誤解を招くような陳述を差し止められることになる。
2022年6月にCFTCによってジェミニに対して提出された民事訴訟は、ジェミニが2017年にビットコイン(Bitcoin/BTC)先物契約を提供する入札に関連する虚偽または誤解を招くような陳述を行ったと主張している。提案された命令の一部として、ジェミニはこの行為を認め、「ジェミニは虚偽または誤解を招くものであることを合理的に知るべきであった」と認めた。
ジェミニはウェブサイトに開示されていない特定市場参加者間で取引か
ジェミニは、2016年から関連期間にかけて、ジェミニのウェブサイトに開示されていない、マーケットメーカーを含む特定の市場参加者との間で取引を行っていた。
これらの取引はウェブサイトに記載されている条件よりも有利な条件で、ジェミニ・トラスト・オークションでの取引を促進するために設計されたものであり、一部の顧客が特別な手数料で取引できる旨を開示していなかった。
12月に連邦判事はジェミニとCFTC間の民事裁判の開始日を1月21日に延期し、「これ以上の延期は認めない」と付け加えた。一方でCFTCは、米国の商品取引法違反の疑いで仮想通貨企業との間で係争中の案件を複数抱えている。実際、ジェミニは、仮想通貨のアーン商品をめぐってSEC(米国証券取引委員会)とも訴訟で争っている。CFTCとの和解は、仮想通貨セクターの多くの企業が米国規制当局と合意したうちの1つであり、バイナンスやテラフォーム・ラボもそのひとつである。
12月にCFTCは、2024会計年度にクリプト企業を含む案件から170億ドル(約2.7兆円)以上の民事罰、制裁金、返還金を回収したと報告。さらに1月20日に就任予定のドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領は、ロスチン・ベーナム(Rostin Behnam)CFTC委員長の後任を検討していると報じられている。
デジタル資産にとってもう一つの重要な金融規制機関であるSECとは異なり、CFTCではトランプ大統領の任期を前に辞任を示唆する委員は公には出ていない。