ロシアの新決済システムにおけるデジタル通貨は「制限なし」
ロシアは、デジタル通貨を、国境を越えた支払いに使用できる”制限に縛られない”新しい支払いシステムを立ち上げていると、ロシアのアントン・シルアノフ(Anton Siluanov)財務相が述べたことが分かった。
同相は、2つの当事者が合意に達し、和解金を支払うと、他の国が介入してそのような支払いを凍結することはできないと概説しているとのこと。ロシアのアントン・シルアノフ財務相は4月24日(月曜日)、国際間決済でのデジタル通貨の使用が完全に制限されない新決済システムが開始されると述べた事を現地国営メディアのタス通信(TACC)が次のように報じた。
私たちは、現代の技術(デジタル金融資産、デジタル通貨)に基づく代替支払いシステムを立ち上げています。これは何の制限にも縛られない支払いシステムで、2 つの当事者が合意に達し、和解金を支払い、他の国が介入してそのような支払いを凍結することはできません。
デジタル通貨は、国境を越えた支払いに使用できる可能性が高く、こ議論の初期段階に過ぎないものの、将来的にはデジタルルーブルやデジタル元、その他同様の通貨の使用にかかっている。
欧米諸国による経済制裁がロシアの脱ドル化を加速
ロシアとウクライナの戦争開始に続き、欧米諸国によって課された経済制裁により、ロシアは米ドルへの依存を減らすための努力を加速させている。
欧米諸国は、制裁によって凍結されたロシア中央銀行の外貨資産で3,000億ドル(約40兆円)以上を押収した。ロシア銀行は、米ドルから移行する方法として、デジタル通貨であるデジタルルーブルの作成を検討。2021年7月に米国議会調査局が発行した報告書では、ロシア政府が2014年に脱ドル化の取り組みを加速したことを詳述しており、デジタルルーブルの導入は、ロシアのドル中心決済インフラへの依存をさらに軽減するだろうと指摘している。
ロシアの脱ドル化推進
シルアノフ財務相は、同日の教育イベントで、ロシア‐中国間の相互決済においてロシアルーブルと中国元がすでに米ドルに取って代わっていることを明らかにしたとタス通信は報じている。
ルーブルまたは人民元が米ドルに取って代わるかどうか尋ねられた際、同相は次のように主張している。
私たちはすでにこれを見ています。良くも悪くも、これが現状だと思います。私たちの通貨です。すでにドルに取って代わりつつあり、ロシアと中国の間の貿易構造を見ると、現在70%を超えており、すでに自国の通貨になっています。