バックト(Bakkt)買収への関心を受けて決済サービスの立ち上げを検討
ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏のソーシャルメディア会社TMTG(Trump Media & Technology Group Corp.:トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ)が、バックト(Bakkt)取引所買収への関心を受け、決済サービスの立ち上げを検討していることが明らかになった。
トランプ氏が率いるTMTGは、仮想通貨決済プロバイダーでありデジタル資産取引所であるTruthFi(トゥルースファイ)の商標登録出願を申請。ニューヨーク・タイムズ紙によると、TMTGが提出した書類によると、TruthFiは金融カストディ・サービスも提供する予定とのこと。
TMGT事業拡大と業界への進出を狙った戦略的プレー
同社は現在、ソーシャル・メディア・ネットワークのTruth Social(トゥルース・ソーシャル)を運営しており、仮想通貨取引サービスBakktの買収は、TMGTの事業拡大と大統領陣営の支持を集めた業界への進出を狙った戦略的プレーであるとみられている。
最近選出された米国大統領とそのチームは、仮想通貨諮問(しもん)委員会のオプションも評価しており、デジタル資産政策に特化したこのチームの指揮を執るのは、ホワイトハウスの新たな仮想通貨の役割の可能性があるが、未確認だ。
また、元CFTC(商品先物取引委員)委員長のクリス・ジャンカルロ(Chris Giancarlo)氏は、トランプ氏がいわゆる「Crypto Czar」の最有力候補の一人であり、カルダノの創設者チャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)氏は、コインベースのブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)CEO(最高経営責任者)をX経由で推薦。
さらに、大手メディアのロイターは、仮想通貨評議会は国家ビットコイン・ビットコインの形成を優先すると報道。ワイオミング州のルミス上院議員は、ビットコイン準備金として、5年間でビットコインの流通量の4%を購入することを提案。また同上院議員は、FRB(The Federal Reserve Board:米・連邦準備制度理事会)が保有する金券の一部をスワップして、ビットコイン準備に充てることを提案。
仮想通貨コミュニティは楽観的な雰囲気に
一方で、米国総選挙後、仮想通貨コミュニティは楽観的な雰囲気に包まれており、トランプ陣営が選挙政策の実現に向けて前進したのと時を同じくして、政府機関の退陣が相次いだ。
当NEXTMONEYの2024年11月22日付特集記事「SECゲイリー・ゲンスラー委員長は2025年1月20日に辞職の予定」で報じたように、SEC(米国証券取引委員会)のゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は、トランプ大統領が就任する2025年1月20日をもって辞任すると発表。連邦預金保険公社のマーティ・グルーエンバーグ(Marty Gruenberg)委員長は前日の19日に辞任する予定だ。
また、大統領陣営は、デジタル資産業界のリーダーたちを閣僚に迎える可能性もあると報じられており、コインベースCEOとトランプ大統領は電話で最初の会談を実施している。規制当局や勝利した親クリプトの政策立案者たちによる変化は、業界経営者たちをより大きな包摂を目標とするよう活気づかせており、大きな注目が集まっている。