アルゼンチンがペソの切り下げで国内ビットコイン人気に拍車をかける

アルゼンチンペソによるビットコイン価格が史上最高値に

ARS(アルゼンチンペソ)が持続的なインフレに直面し、ペソの切り下げを実施したことが大きな要因となり、アルゼンチン国内でのビットコイン(Bitcoin/BTC)価格が史上最高値に達した事が分かった。

Google ファイナンスのデータによると、4月18日(土曜日)、BTCからARSへの為替レートは659万ARSを超えた。約600万ARSに調整(切り下げ)され、9%の下落を記録したものの、BTC価格は依然としてYTD(Year To Date:年初来)で100%以上高くなっている。ARSの低下により、アルゼンチンでは国内での需要増加によりますます不足している米ドルに避難するようになっているものの、既存通貨が苦戦するなか、政府や中央銀行の権限外にあるビットコインやその他の仮想通貨が代替オプションとして浮上している。

アルゼンチン人は通貨危機の中でビットコインを受け入れる

ペソの価値が下がるにつれてアルゼンチンでは仮想通貨への関心を高めているのが現状だ。

アルゼンチンでのビットコインP2P(※売り手と買い手の直接取引)の週間取引量は、2023年3月にパックスフル(Paxful)で過去最高の3,000万ドル(約40億円)近くに達している。さらに、2022年の調査ではアルゼンチン人の約60%が、ビットコイン貯蓄の価値を長期的に維持可能と考えていることが判明。米国の主要仮想通貨取引所であるコインベース(Coinbase)は、ビットコインがアルゼンチンで法定通貨になるという考えを支持しており、デジタル通貨への信頼の高まりを強調している。

このような傾向は、経済省によって提案された最新法案によってさらに証明されており、市民が仮想通貨の保有を宣言することを奨励し、インセンティブとして税制上の優遇措置を提供するものである。

アルゼンチンの金融セクターは仮想通貨に熱狂

仮想通貨に対する需要の高まりに対応し、アルゼンチンの金融部門はデジタル資産の採用に向けていくつかの措置を講じている。

4月、同国の証券規制当局であるCNV (National Commission of Value:国家価値委員会)は、マトバ・ロフェックス(Matba Rofex)取引所でのビットコインベースの先物指数を承認。5月にデビューする予定のこのペソ決済デリバティブは、認定投資家がビットコイン市場へのエクスポージャーを獲得することを可能にする。さらに、2022年12月には、アルゼンチンの州がドルを裏付けとするステーブルコインを発行する意向を発表。これらの展開は、進行中の通貨問題の中で仮想通貨が国の経済において、より重要な役割を果たし始めていることから、アルゼンチンの進化する金融情勢を示唆している。

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