南アフリカの準備銀行が仮想通貨を金融資産として規制を決定

南アフリカ中央銀行が仮想通貨を金融資産として規制へ

南アフリカの中央銀行にあたるSARB(South African Reserve Bank=南アフリカ準備銀行)のクーベン・ネイドー(Kuben Naidoo)副総裁により、仮想通貨を支払いオプションとしてではなく、金融資産として規制することを決定されたことが明らかになった。

PSG Konsult「PSG Think Big series 2022: Kuben Naidoo(日本語訳:PSG Think Bigシリーズ2022:クーベン・ネイドー)」より動画引用

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現地投資会社PSGのウェビナーで講演した同総裁は、仮想通貨を主流部門で活用できる金融資産として認識するための規制を今後12~18カ月の間に展開するとのこと。これにより、仮想通貨は金融商品として、国のFICA(Financial Intelligence Centre Act=金融インテリジェンスセンター法)の管轄下に置かれ、マネーロンダリング(資金洗浄)、脱税、テロ資金調達活動を監視していく。

南アフリカ中央銀行は仮想通貨市場をどのように利用できるか模索

ネイドー副総裁によると、世界中のほとんどの中央銀行は、より広範な仮想通貨市場に注目しており、そこから学び、どのように利用できるかを模索しているとのこと。

同総裁は、KYC (Know Your Customer=本人確認手続き)規則や為替管理規則といった従来の銀行規制を含む、仮想通貨の上場を可能にする南アフリカの取引所の規制枠組みを開発する予定であると付け加えた。それらのなかで、最初のステップは仮想通貨を金融資産として宣言することであり、その後、仮想通貨上場、金融情報センター法を通じて予定されており、その他のプロセスとしては、仮想通貨取引所に対する適切な規制構造を構築する事とのこと。

実際、SARBは2022年4月に、仮想通貨取引の技術的な概念実証を終えたばかりで、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)導入の可能性についても調査しているとのこと。

仮想通貨取引所規制の遵守維持を目指す南アフリカ

SARBの仮想通貨に対する見方はここ2、3年で大きく変わっており、5年前に同銀行は規制による監視は必要ないとの考えを示していたが、仮想通貨を金融商品と定義する認識への転換により、この見方が変わったとのこと。

というのも、南アフリカは、依然として仮想通貨の利用が健全な地域の1つであり、同国では仮想通貨、特にビットコイン(Bitcoin/BTC)の人気が高まっている。これは、仮想通貨を利用する600万人以上のユーザーが記録しているように、人々の間でより高い露出によるものであり、国は仮想通貨取引の報告および管理を改善する計画を持っているとのこと。しかし、本物の技術的進歩や決済システムの改善の可能性を誇大広告から切り離すことが重要であるとの見解を示しており、その関与を通じて、南アフリカにおける取引所規制の遵守を維持することを目指しているという。

一方で、仮想通貨に対する規制の準備に加えて、SARBは中央銀行デジタル通貨(CBDC)を立ち上げるための動きも見せており、2022年4月の時点で、同機関はCBDCの技術的な概念実証を完了している。