中国、仮想通貨格付けを公開 =EOS、ETH、TRXが上位独占

中国、仮想通貨格付けを公開 =EOS、ETH、TRXが上位独占

北京情報センター(CCID)のブロックチェーン研究所が新たに仮想通貨ランキングを公開した。公開されたのは「国際パブリックチェーン技術評価指標」と呼ばれるもので、オープンソースのブロックチェーンプロジェクトに対して、技術面、適合性、革新性の面から専門家が評価を行う。このうち、分散性やセキュリティなどを含めた技術面の評価は全体の約65%を占めている。

今回発表された最新ランキングでは、第1位がイオス(EOS)、第2位がイーサリアム(ETH)、第3位がトロン(TRN)となっている。過去のランキングを踏まえても、DAppsプラットフォームが高い評価を得る傾向があることがある。

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一方で、主要な仮想通貨のランキングは低いままだ。仮想通貨の代表格とも言えるビットコイン(BTC)は第9位、先日コインチェックに上場したステラ(XLM)は第10位、日本では人気の高いリップル(XRP)は第18位となっている。また今年、半減期を迎えたライトコイン(LTC)は第27位、ビットコインキャッシュ(BCH)は第32位とさらに低い評価を受けている。

いずれの仮想通貨も、決済や国際送金を目的として発行されたものであり、上位を獲得したイオスやイーサリアムなどとは異なる性質を持っていると言えるだろう。また、時価総額では上位のBNBやビットコインSVは、リストにすら入らなかった。

中国の仮想通貨の行方

中国政府は10月の習近平国家主席の発言からもわかるように、ブロックチェーンに注力する意向を示している。一方で、仮想通貨取引所の取り締まりは厳しさを増している。たとえば、先月22日には中国に拠点を構えていた取引所「BISS」が閉鎖したことが明らかとなったが、同時に関係者10人が北京当局に逮捕されている。中国の中央銀行にあたる中国人民銀行は同日声明を発表し、仮想通貨取引所の取り締まりを厳しく行っていく意向を示した。

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一方で今月9日には中国メディア財経が、中国人民銀行がデジタル人民元の試験運用を、深センと蘇州の2つの地域で開始予定であることを報じている。取引所の取り締まりの流れを見る限りでは、デジタル人民元を最優先とし、通常の仮想通貨は排除したい狙いがあるのだろう。つまり、中国政府はブロックチェーンに注力するが、それはビットコインなど他の仮想通貨の後押しにはならない。逆に、こうした仮想通貨を劣勢に追い込んでいく姿勢を明確に示しているのだ。

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