バイナンス(Binance)ジャオ元CEOの純資産は司法省の和解で5倍に急上昇

バイナンスにジャオ・チャンポン元CEOの純資産が5倍に急上昇

ビットコイン(Bitcoin/BTC)ラリーはジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)氏に大幅な利益をもたらしており、2023年に推定純資産が急増した仮想通貨CEO(最高経営責任者)の最前線に同氏を置いたことが大手メディアBloomberg(ブルームバーグ)の報道によって明らかになった。

同氏の資産は370億ドル(約5.2兆円)以上と推定され、その大半は市場上昇時に取引量増加の恩恵を受けたバイナンス(Binance)の株式から得たものであり、2023年1年間で彼の純資産は250億ドル(約3.5兆円)増加したとのことだ。バイナンスと同氏は、規制当局との法廷闘争に象徴される波乱に満ちた2023年を過ごした。

SECからCFTC(商品先物取引委員)、DOJ(米国司法省)に至るまで、この取引所と現CEOは何度もスポットライトを浴び、バイナンスと同氏の苦境は11月、刑事訴追、43億ドル(約6,076億円)の罰金、10年の実刑判決という形で決着した。

仮想通貨で富を得ている富豪リスト

ジャオ氏の苦難はまだ終わっていないものの、最新データでは、同氏の純資産が大幅に増加していることから、追放された元CEOは失った以上のものを取り戻した可能性がある。

これは、同氏が反マネーロンダリング(資金洗浄)違反を認めたと最近報道された後のことで、この有罪答弁は、連邦規制当局による数年にわたる調査の結論として出されたものであり、これは法律史上最大規模の企業和解につながっている。実際、有罪答弁を受けて、同氏はバイナンスのCEOとバイナンスUSの取締役会長の役割からも退任。この決定により、バイナンスの米国事業に対する彼の直接的な影響力は事実上排除され、彼の関心は純粋に経済的なものに追いやられたとみられている。

同氏の現在の推定純資産は250億ドルという驚異的な増加を示しているものの、2022年初頭のピーク時の約970億ドル(約13.7兆円)にはまだ大きく及ばない。推定純資産首位はイーロン・マスク(Elon Musk)氏で、純資産は949億ドル(約13.4兆円)急増し、2,320億ドル(約32.8兆円)に達しており、僅差でベルナール・アルノー(Bernard Arnault)氏が1,790億ドル(約25.3兆円)の純資産で2位を確保し、ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏が1,780億ドル(約25兆円)の純資産で3位につけている。また、コインベースCEOのブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)氏やGemini(ジェミニ)のウィンクルボス(Winklevoss)兄弟といった他の著名な業界人も、それぞれ58億ドル(約8,199億円)、14億ドル(約1,979億円)の増額となっている。

一方、ジャオ氏は、司法省の逃亡リスク論での勝利を受けて、2024年2月23日に予定されている判決公判を待つ間、米国内に再拘留されている。同氏は2024年2月23日に判決を受ける予定、18カ月の懲役刑の可能性があるにもかかわらず、彼は現在1億7,500万ドル(約247.3億円)の保釈金を得ているとのこと。