暗号通貨取引所Bithumbが2028年のIPO実施へ
韓国第2位の暗号資産取引所Bithumb(ビッサム)が、ガバナンス体制の大幅な刷新と重大なトラブルの克服を経て、2028年のIPO(新規株式上場)を目指すロードマップを明らかにした。
当初目指していた2025年からのスケジュール延期となるものの、体制の健全化を最優先とし、株式市場への上場を推し進める構えだ。
相次ぐ課題と誤送金トラブルによる影響
同社はこれまで、規制当局からの手厳しい処分やシステム上の運用ミスに見舞われてきた。特に衝撃を与えたのは、プロモーション企画における人為的ミスだ。
担当者が単位を間違えてユーザーに莫大(ばくだい)な量のビットコイン(Bitcoin/BTC)約62万BTCを誤配布する事態が発生。大半の資金はすでに回収され、影響を受けた投資家への補償対応も進められたが、一時的な価格急落や市場の混乱を招いた。加えて、ユーザーのKYC(本人確認)不足等を理由に、FIU(金融情報部)から巨額の罰金と6カ月の取引停止処分を通告されるなど、コンプライアンス面での脆弱性が露呈。
同社は処分停止を求めて提訴し、裁判所の判断により現在は通常営業を継続しているものの、FSS(金融監督院)による厳格な調査が行われる事態となった。
コンプライアンス強化と内部統制の刷新
こうした事態を受け、Bithumbは投資家の信頼回復に向けたガバナンス改革に踏み切った。
外部の専門家を新たな監査役に招聘するほか、1,000億ウォン(約110億円)規模の利用者保護基金を創設。さらに、企業財務の透明性をグローバル基準へ引き上げるため、従来のKAAP(韓国会計基準)からKIFRS(国際財務報告基準)への移行を進めている。
組織構造においても、利益相反の防止と責任の明確化を目的に事業再編を実施。社債発行上限の拡大による流動性確保や収益モデルの多角化など、上場企業にふさわしいリスク管理体制の構築に注力している。
2028年上場に向けたロードマップと市場の視線
新たなスケジュールによると、同社はサムスン証券を主幹事に迎え、サムジョンKPMG(Samjong KPMG;世界四大会計事務所(ビッグ4)の一つであるKPMGの韓国メンバーファーム=三正KPMGの事)などの専門機関と連携しながら準備を進める。
2026年中に内部統制と会計基盤を整え、2027年に予備審査を申請、そして2028年の上場完了を目指す方針だ。
大手証券会社からの出資検討や、主要株主の保有比率制限を巡る規制の動きも追い風となり、上場に向けた関心は依然として高く保たれている。競合であるUpbit(アップビット)の運営元Dunamu(ドゥナム)もIPO戦略を進める中、Bithumbは徹底したコンプライアンス改革を盾に、信頼できる取引所としての再出発と株式上場の実現を目指している。
























